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今ここにあるいじめ [不安なお母さん方へ]

もうじき夏休みですね。
不登校の生徒、またその保護者にとっても、学校に行く必要のない時期はほっとするのではないかと想像しています。
まして、いじめから不登校になっている生徒にとってはなおさらのことだと思います。

今日、たまたま読んでいたツイッターに、担任の先生から明らかにいじめと受け取れるほどの差別を受けて、持って行き場のない怒りと悲しみを抱えている母親の話がありました。

それを読んで、今は亡き息子が小学校の5,6年の時に先生から受けたひどい仕打ちを思い出しました。
当時、息子は忘れ物の常習犯で、母親の私が細心の注意を払っていても忘れ物が減らずに、それを快く思わない担任の先生が息子につらくあたっていました。
担任の先生がそんなふうだと生徒も同調し、息子がつらい立場に立たされていたことは事実でしたが、同じくいじめられている仲のよい友だちもいたこともあって、不登校には至りませんでした。

けれど、学校で怒られ、家でも私が怒ることが多かったこともあり、息子の毎日は何の楽しみもなく、つまらなかったと思います。

今の私だったら、担任を最低の先生だと思い、何があっても息子の味方をしたと思いますが、未熟な母親であった私は、息子を非難する担任に一言も返せませんでした。

それでも、その先、息子に、つまらないと思う人生を送らすことだけは避けたいと思ったので、中学1年から一年間山村留学に出しました。
よかれと思って、先回りをすることの多かった私から離れて、失敗する経験をたくさん積んで、自ら学ぶほうが息子のためにもなると思ったからです。
結果、息子は見違えるように成長して帰ってきました。
成人してから、「僕は山村留学に行かなかったらどうなっていただろう」と振り返っていました。

月日を経て、今、もし自分の子どもがいじめられているとしたら、どうするだろうと考えてみました。
残念ながら、学校に訴えても、それが解決しないのは昔も今も変わらないと思っています。
いじめられている子の苦しみやつらさを理解し、動いてくれる学校や担任の先生がどの程度いるか疑問だからです。信用できないと思っています。

それではどうするか。
私は逃げ出すか、転校しかないと思っています。
そうしたからといって解決するかどうかわかりませんが、わが子を苦しい環境においたままにするのは、その子の将来にとってもよくないし、長期間にわたって傷が残ります。

別の場所に子どもを移して、そこが合わなかったら、また別の場所を探す。
諦めないで動いていれば、必ず、道は拓けると思います。

前回の記事では、不登校の生徒にとって、「夏は正念場、勉強が大事」とかきましたが、いじめで苦しんでいる生徒はそれどころではないと思います。
まずは不安材料を取り除くことが、求めらえると思います。
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夏は受験生にとって最も大切な時期 [受験]

「夏を制する者は受験を制する」と言われているように、受験生にとって夏休みが重要なのはいうまでもありませんが、私は夏休み前、つまり期末テストがそろそろ終わる7月のこの時期から夏休みが終わるまでの約2か月間の成否にかかっていると思います。
高校受験生の英語に限ってみれば、英語が相当に苦手な生徒であっても、この夏休みの頑張りで挽回できると思っています。
ただし、やる気だけはどうしても必要です。

英語学習に一番必要なのは、繰り返しの練習ですが、それを本人だけでやるのはなかなか大変で、適度な宿題を出したり、チェックする先生が必要になります。出来れば、大手の進学塾やビデオ授業の塾ではなく、費用は割高になりますが、1対1の個別指導の塾をお勧めします。

夏休み中に問題集を一通りやったところで力がつくわけではありません。 自分が何をやったか、何が出来て、つまずいているところはどこかなど、しっかりと把握することが大切です。

また、都立チャレンジ高校、エンカレッジ高校を希望する生徒は、夏休み中から学校見学や体験授業を受けることをお勧めします。
その際に、雰囲気が馴染めるかも重要なポイントになりますが、その高校の先生の態度ーーおざなりではなく、ていねいに向き合ってくれるかどうかも見極めることだと思います。


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受験勉強が本格化 [受験]

チャレンジ高校の受験から通って来ているF子ちゃんも高校3年になり、本格的な受験勉強に突入しました。

つい最近、挑戦のつもりで受けた英検2級の結果はまだ報告は受けていませんが、運よくいったとしても合格はしていないと思います。
今回は、合格点との間にどのくらい開きがあるか、また少しでも合格点に近い点数を取ることが課題でした。

目の前のやるべきことが見えていると、いつもF子ちゃんはやる気になるし、宿題もきちんとやってきます。

ところが、英検のテストが終わってからは停滞しています。
宿題も半分くらいしかやってきていません。

これまでの宿題は①「英検2級のでる順パス単」の単語10ページ、熟語10ページで2巡目に入っています。②文法の問題集、③は長文問題です。
②の文法は「英文法入門ドリル」、「英文法基礎ドリル」(駿台文庫)の2巡終了、東進ブクッスの「英文法レベル別問題集超基礎編」「英文法レベル別問題集基礎編」の2巡目がそれぞれ終わり、ここまでは間違いも少なく、難なく進みました。 ③長文問題については、英検が近づくと英検の過去問の長文を、そうでない時は「英語長文ハイパートレーニング」の超基礎編(駿台文庫)をやっていて、それは間もなく終わります。

文法はここ3回ばかり、学校で使用している桐原書店の即戦ゼミ「基礎英語搬出問題総演習」をやり始めました。
F子ちゃんと話し合った結果、夏休みに入る前までに1回目を終了する計画を立て、毎週30ページを宿題でやってくることになりました。

F子ちゃんにとってはハードルが高かったらしく、これまでと違い、間違っている問題の方が多くなりました。あまりに×が多いと、やる気がなくなってしまうものですが、Fちゃんにはやる気はあります。
ただ、気力が出なくなりました。
欲張らずに、積み重ねていくしかないので、宿題の量を減らすことを提案したのですが、F子ちゃんは早く終わらせたいと言って、これまで通りにやると言っています。

F子ちゃん自身、あるレベル以上の大学を希望していますが、日東駒専レベルを例にとると、浪人する覚悟で勉強しても、合格する可能性は低いというのがアンの考えです。
現在通っている進学塾の先生は、「頑張れば大丈夫だから」と、耳障りのいい言葉を言うようですが、アンは都合のいいことは言いたくありません。

一番の問題は、F子ちゃんは頑張っているとは言っても、勉強量が圧倒的に足りていません。
塾では毎日5時間と言われているそうですが、おそらくその半分もやれていないと思います。
宿題の量を増やして、それを確実にやってくるようにすれば可能性は出てくると思いますが、そうするとF子ちゃんの心が壊れてしまう気がします。

一般受験の大学受験の生徒にはこれまでかなり宿題を出してきましたが、心身共に健康な生徒であっても、受験はやはり苦しいもので、後で大変だったと生徒から聞いています。

それと教材選びなのですが、受験には役立つかもしれませんが、桐原書店の「即戦ゼミ」、それよりさらにページ数の多い同じく桐原書店の「Next Stage」は、アンの好みではありません。
機械的にただ暗記する部分が多くて、かつての生徒のやる気が起きなかった気持ちはよくわかります。

それよりも、学校で使用する教材でいうなら、「高校リード問題集」の方がいいように思います。
「即戦ゼミ」にしても「リード問題集」にしても、学校の授業中にやるのではなく、大方は自習用で、テスト範囲に組み込まれていたりするので、生徒本人のやる気と気力にかかっています。

どちらにしても夏休みも近づき、受験生はより受験勉強に拍車をかけるので、生半可な頑張りでは通用しなくなることは確かだと思います。

F子ちゃんはAO入試も視野に入れていいと思うのですが、出席日数の関係でどうなるかわかりません。



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自分史教室のこれまでの出版物 [自分史教室]

自分史教室はまだ立ち上げたばかりですが、過去に2冊ほど自費出版した本があります。

1冊目は自分史で、夫亡き後、子ども3人を懸命に育てた女性の一代記「わが子とともに」です。

2冊目は自分史ではありませんが、不登校、引きこもりを経て28歳で亡くなった娘を想い、母親が天国で楽しく遊ぶ幼い娘を想像して描いた絵と詩を収めた詩画集「野の星 天の花」です。

「野の星 天の花」は毎日新聞でも紹介され、本を手に取ってやさしい絵に癒された読者の方が著者にハガキを送り、彼女は随分慰められたと言っていました。

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ただ、今回の「自分史教室」では、自費出版までは考えていません。 手作りの小冊子でいいと思っています。(希望すれば自費出版は可能ですが、費用がかなりかかります)

※上記の本はまだ在庫がありますので、希望する方には差し上げたいと思っています

問い合わせ先
電話03-3952-0860 
メールアドレス  kateijuku@cj8.so-net.ne.jp
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Ayuちゃん一家の来訪 [Ayuとアンの不登校記録]

5月4日、「さようなら不登校」のAyuちゃんとその家族がアンの家に来ました。
突然こんな日がやってくるとは想像できませんでしたが、それは以下のようなAyuちゃんの御主人からのメールで実現しました。

アン先生
初めまして。
ayuの旦那、K・Nと申します。
突然のメール、大変失礼とは存じますが送らせていただきました。
先日も、LINEにてご心配おかけいたしました。
ブログを拝見させていただきまして、やり取りに気づいた次第です。
先生のおかげで、過去の細かなやり取りや状況を知ることができ、様々な想いを知ることができました。

私達の婚姻後、ご挨拶にも伺えず申し訳ございません。

長男が生まれ、その後に長女が生まれ、なかなか落ち着かず、現在に至ります。
いつかのクリスマス時期に先生に久しぶりに逢い、靴のプレゼントは、すごく嬉しかったそうです。
先生には、感謝の気持ちをどう伝えられるだろうかと、常に考えておりました。

実は、様々な思いが駆け巡る中、先生には是非ともお会いしたいです。 お時間頂戴することはできますでしょうか? 年度初めでお忙しいことは存じておりますが、数分でも構いませんので、
お伺いできればと思います。
何卒、宜しくお願い致します。

Ayuちゃんに会うのは、Ayuちゃんが結婚したと報告を受けた約6年程前でした。
ご主人が靴のプレゼントと書いているのは、その時のことです。

ところで、Ayuちゃんが玄関に現れ、挨拶を交わした途端、「知らなかったんです。今日、先生の家に来ることを」と告げました。 ご主人は、アンの家に来ることについて、Ayuちゃんがどんな反応をするかわからないので、黙っていたと言います。

Ayuちゃんのご主人は49歳で、今年Ayuちゃんは30歳になるので、約20歳年上ということになります。
ご主人は温かい感じのフレンドリーな方で、Ayuちゃんが「さようなら不登校」のブログの存在をご主人に教えていて、それを全部読んでいるということからも、ご主人がいい方だということはわかります。
一般的に、男の人は、女の子や女性の細々とした話は聞きたがらないし、まして文章を読むことなど面倒臭がると思うからです。

ご主人がこれまでのAyuちゃんのことを全て知っていると聞いて、アンも何も隠さず率直に話すことができました。
Ayuちゃんやご主人にも言いましたが、アンが関わった家庭の中でも、Ayuちゃんの家庭は最も大変な家庭でした。
「さよなら不登校」には、書けない事柄が数多くあって、Ayuちゃんの生育環境は恵まれたものではありませんでした。
許される範囲で書くとしたら、記憶が定かではありませんが、Ayuちゃんが小学3,4年生の頃、お母さんがAyuちゃんを長女とする3人の子どもを連れて、お父さんと再婚しました。
Ayuちゃんの家は、お父さんのお父さんが買った家で、その家にお父さんの兄弟3人、つまり4人で住んでいたのですが、そこにAyuちゃんのお母さん、Ayuちゃん、妹2人が加わり、さして広くない家に8人が同居することになったのだと思います。
Ayuちゃんのお母さんにしてみれば肩身も狭かったのだと思いますが、8人分の食事の支度もし、家事を担っていました。
中学2年で不登校になったAyuちゃんの家にアンが家庭教師として行った時には、お母さんは精神に支障をきたし、入退院を繰り返していました。 お父さんと再婚した当初から、その兆候はあったといいます。

お母さんより、継父であるお父さんの方がAyuちゃんのことを心配していて、家庭教師を依頼したのもお父さんでした。
当時、もしもお父さんとお母さんが離婚したら、「私はお父さんの方についていく」とAyuちゃんが言っていたことを覚えています。
お母さんは、Ayuちゃんが小さい頃はやさしかったそうですが、その後はずっと精神状態が不安定で、それは家族にも暗い影を落としていて、お父さんとお母さんの関係も険悪になり、お父さんも決してほめられない問題行動をいくつか起こしたりして、Ayuちゃんにとっても、2人の妹さんにとっても平和とは程遠い家庭だったと思います。

「これまでいろいろあったけど、Ayuちゃんはよく頑張って来たよね」とアンはAyuちゃんを労いましたが、ご主人もそれはよくわかっているようでした。

Ayuちゃんとご主人はよく喧嘩をするそうですが、それでもご主人がAyuちゃんのことを大事に思っていることは伝わってきますし、お互いに言いたいことを言い合える関係だということもわかりました。 そして、Ayuちゃんの子ども、4歳の長男と、3歳の長女が本当に明るくて、伸び伸びと育っていて、それがAyuちゃんがいい家庭を築いていること、幸せであることの証拠だと思いました。 最初は神妙にしていた子どもたちが慣れるにしたがって、「キャッ、キャッ」と言いながら、階段を上り下りしたり、主人と遊んだりしている声を聞きながら、アンも久しぶりにエネルギーをもらって元気が出ました。
私には小さな子どもとの接点はもうありませんが、子どもの笑顔や笑い声は本当にいいものです。

最後にAyuちゃんとのラインのやり取りも書いておきたいと思います。

Ayuちゃんからアンへのライン

昨日は突然の訪問になりましたが、お邪魔させていただきありがとうございました。
当日まで本当に何も聞かされていなかったので、まさかお会いできるとは夢にも思いませんでした。
5,6年ぶりとなりましたが、先生の元気な姿が見られたり、子供たちに会わせる事も叶えられた事、とても嬉しく思います。
写真まで送っていただきありがとうございます。騒がしくやんちゃな子供たちの遊び相手をしてくださったご主人にお礼をお伝えください。

アンからAyuちゃんへのライン

いえ、いえ。
Ayuちゃんと付き合い始めてから15年以上、こうしてAyuちゃんの家族が遊びに来る日が来るなんて、想像もしていませんでした。
それなりに私も年を重ねたわけですが、生徒は私の大切な財産になっていると実感しました。

2人のお子さんがそれぞれ明るいのも、Ayuちゃんはよく喧嘩すると言っていましたが、夫婦が仲のいい証拠です。
自信をもってくださいね。



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人に悪く思われたくない、嫌われたくない [生徒]

チャレンジ高校の受験が終わり、高校からは英語の学習で通ってきているFちゃんが、自分を責め、マイナスのドツボにはまってしまっています。
毎週、土曜日はFちゃんが来る日で、英検2級の試験も近づいているので、昨日は直近の2022年の3回目の英検の試験問題をネットから拾って印刷して、それを本番と同じ時間内でやってもらう計画を立てていました。
1カ月後の試験に向けて、現段階で、自分がどれ位出来ているのかを確認するためでした。

英語で通い始めてから丸2年、中学の復習から始めたのに、2級を受けるところまで実力がついてきたのは、Fちゃんがかなり優秀だったからだと思います。

ところが、昨日は授業は全く出来ずに、学校で直面している悩みを聞くだけで終わってしまいました。
詳しい内容は書けませんが、その件で、Fちゃんは夜中にアンに相談の電話をかけてきたり(めったにそういうことはないので、それはいいことだと思いましたが)、先週からずっとそれを引きずっています。

2021年の「チャレンジ高校受験を振り返って」では、Fちゃんが極端に自己肯定感が低いことを書きましたが、それも受験を通して自分を振り返り、また学校にも通えるようになったことで、必要以上に自分を否定し、責めることはなくなっているように思えました。

ところが、友だちとの間にちょっとした行き違いが生じると、途端に自分を責め、自分にはいいところがないから、友だちに嫌われているに違いないと思い詰め、寝ても覚めてもそのことで悩み続けることになります。

そうなると、もう勉強どころではなくなります。
Fちゃんに限らず、不登校だった生徒にはよくあることで、こんな時は、「気にしないで」と言っても無理で、どういう経緯を経て、自分が友だちに嫌われていると思ったのかを、具体的に聞いていきます。
自分が言った言葉、相手の言葉、相手の態度などを振り返ってもらいます。
同時に、人として見た場合に、Fちゃん自身に人から嫌われるような要素はないことも伝えます。
Fちゃんは自分の悪い点を、次々にあげていきますが、どれも取るに足りないものです。


このように一つずつ、アンと一緒に考えていくと、気になっていた事柄を客観的に見られるようになって、気持ちも落ち着いてきます。

友だち関係の悩みを親に言う生徒もまれにはいますが、黙っていて一人で抱え込む場合が多いし、言ったところで親も忙しいので、それほど丁寧には聞けないということもあります。
また、親には心配をかけたくないという生徒もいることは確かです。

思春期の生徒は誰でも、人に悪く思われたくない、嫌われたくないという気持ちはあると思いますが、それが極端になると、心や体にも支障をきたすので、注意が必要です。

Fちゃんは、塾にも週に4日も通い始め、本格的に受験勉強に着手しようとしていますが、それ以前に、一人でもいいので仲のよい友だちを作り、「人からどう思われるか」を必要以上に気にしなくなる練習をする方がいいように思います。
まず、自分の弱みを見せることが、友だちを作るいい方法だと思っています。
そこから相手も自分と変わらないと思えたり、共感も生まれてくるからです。

Fちゃんは、このままいくと、大学に合格しても通えなくなる可能性が大きいと懸念しています。
そうならないように、勉強面だけでなく、精神面のサポートもしっかりしたいと思っています。

まず、自分から「おはよう」と言える練習をすることでしょうか。

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15年後の変化 [生徒]

15年以上、付き合っている女性(彼女は自分のことをカタカナでセイトと言っています)が最近頻繁に通ってきています。【彼女の前回の記事は「先生は味方ですよね」でした】(
派遣で工場の仕事をしていて、仕事が途切れると、アンのところにやって来ます。
昨日も来たのですが、話のメインはやはり中学時代の友だちの話でした。

当時、クラスで仲間外れになっていた彼女にやさしく接してくれたクラスメートが2,3人いて(来るたびに、また彼女の手紙にも何度も同じ友だちの名前が出てくるので、アンも覚えてしまっているのですが)、その友だちと会って話をしたいというのが、長年の彼女の願いです。

手紙も頻繁に出していて、たまたま相手が電話に出たときに、「会いたい」と言ったら、彼女も「そうだね。そのうち会いましょう」と言ってくれたらしいのですが、それはずっと実現しないままだと言います。

中学を卒業して30年も経つのに、仲のよかった友だちならともかくとして、中学のいじめの経験から抜け出せずに、「あの時なぜ、クラスのみんなは私をのけ者にしたのか」がどうしても納得出来ずに、それを問い正したい彼女に対して、友だちが本心から「会う」と言ったのかは疑問だと思いました。

みんなそれぞれ現在の生活に精一杯だと思いますし、私が全く仲がよくなかった友だちに突然「会いたい」と言われたとしても、「今さらどうして」と不審に思い、断ると思うのです。
けれど、彼女は友だちが「会いましょう」と言った言葉をそのまま信じています。

私がずっと以前にシナリオの勉強をしている時に、「言葉はうそつき」と教わりました。
社交辞令というのもあるし、人はなかなか本心を言わないし、相手にとって都合が悪いことは言わないと思います。
悪く思われたくないからです。

昨日、彼女に初めて、「どうして私のところに15年以上も通ってきているの。私のどこがいいの」と尋ねたら、「信用出来るから。うそは言わないから」とのことでした。
言われてみれば、アンはお世辞は言わないし、彼女にとって都合が悪いことも言ってきました。
アンは自分にとって都合がいいことを言う人は信じないほうがいいと思っています。

タイトルの内容が一番最後になってしまいましたが、彼女の変化とは、これまで彼女が私に送って来ていた何十通かの手紙を持ち帰ったことです。(ごく一部ですが)
それも私に言われたからではなく、自分からそうしたのです。

私は「最初から今までずっと同じことを書いてきているわよ。自分で読み返して、振り返ってみたら」と言いました。
過去のことではなく、未来に目を向けてほしいとはずっと思っているのですが、もう何年も前からそれを言うのはやめました。
アンが何を言おうと、自分がそう思わない限り、彼女が変わっていくことは出来ないと思うからです。それでも、手紙を持ち帰ったのは大きな変化です。

彼女は行動力はあるので、気持ちが変われば、さらに前に向かって行けるのではないかと思います。
これからも彼女の意思を尊重しながら、付き合っていきたいと思っています。

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不登校、ひここもりの自分史教室について [自分史教室]

不登校、引きこもりのための「自分史教室」を始めましたが、どちらかというと、不登校の生徒より、高校卒業以上の若者、青年、あるいは長年、家族としか接触がない、または家族との関係が上手くいってない大人の方にに適しているように思います。 その理由は、子どもより、若者や大人のほうが、自分の気持ちや意見を表現することが出来ると思うからです。 自分で言葉を思いつかなくても、自分史を書く過程で、アンが提案した言葉が自分の気持ちに合ってるか、いないかはわかるはずです。 そうすると、自分が書いた文章でなくても、読んでいて違和感がないので、自分で書いた文章とと同じになります。


親しい友人が、家から外に出ることは出来ても、社会に出ることが出来ずに、勤めてもすぐにやめてしまう青年、または大人を支援する仕事をしています。
もともと彼女は、家庭教師でしたが、不登校生に関わることが多くて、高校や大学を卒業した後、家に閉じこもってしまい、本人はもちろんですが、家族も悩んで、「何とかしてほしい」と相談されて、定期的に話を聞いたり、外に連れ出したり、最近では彼女自身が区から借りている家庭菜園を手伝ってもらったりしています。

家に閉じこもるようになった原因はそれぞれですが、彼女がプロの家庭教師ということもあってか、エリート家庭が多く、親の期待に応えることが出来なかった自分を責め続けて、長いトンネルから抜け出せなくなってしまっているケースが殆どです。

現在、家庭菜園を手伝っていいる青年は、人が怖いと言っているそうです。
だから、自然の中で、体を動かしながら、野菜たちと向き合っているのは、気持ちが癒されるのかもしれません。

どちらにしても、家族以外の他人と関わることが、前に進んでいく第一歩になるかと思います。

前向きが長くなってしまいましたが、「自分史教室」といっても、最初から自分史を書くわけではありません。
自分が思い出せる時期まで遡って、いろいろ話をしながら、共同で「自分史」を書いていきます。 過去を振り返る中で、楽しかったこと、つらかったこと、自分を肯定できる要素も出てきて、少しずつ元気になっていきます。 聞くばかりでなく、私も話しますが、失敗や挫折を数多く経験しているので、その話をエピソードを交えてよく話します。 成功談は役に立つとは思えませんし、私自身が立派な人間ではないことをよく知っているからです。

「自分史教室」は始めたばかりですが、過去には30代の青年に手紙を書き続けて、特に意図したわけではありませんが、8か月後に勤め始めたというケースがあります。
やはり、私自身の失敗や挫折したエピソード、また、私の子どもたちの思うようにいかなかった例などを書くこともありました。

宗教にのめりこんで身動きできなくなってしまった若者と話をして、そこから脱退できたという例もありました。
自分史は、大学を中退して、その先に何をしたらよいかわからない女性の小学校から高校までを、話をじっくり聞きながら、彼女にふさわしい言葉を探して、書いていきました。また、職探しや、就職の面接の練習もしました。
残念ながら、自分史は最後まで書けませんでしたが、現在、彼女は自分に合った仕事を見つけて頑張っています。

家に閉じこもっていたり、就職してもそこでパワハラを受けた経験を持ったりすると、人が怖いと思うし、他人を信用することも難しいと思います。

それでも、勇気を出して踏み出せば、何かが変わっていきます。
力になれればと心から思っています。
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2年振りのAyuちゃん [家庭塾卒業後の生徒たち]

「さようなら不登校」のAyuちゃんのことを書いたのは、もう2年以上前のことと記憶しています。
記事にしたかどうかも定かではありませんが、その時はAyuちゃんは離婚の危機に瀕していて、子ども2人を連れて、妹さんのところに身を寄せているということでした。
けれど、それも妹さんの尽力で何とか解決し、元通りの生活に戻ったとの報告を受けほっとしました。

そんなAyuちゃんから、ひと月ほど前にラインがありました。
夜中のことで、「先生、まだ起きていますか?」という内容だったのですが、すでに寝ていて、アンは気づきませんでした。
気になって翌朝、電話をかけたり、ラインをしたりしたのですが、連絡がつきませんでした。

Ayuちゃんは困ったことがあると、アンに連絡してくるのが常だったので、しばらく様子を見てから、またラインしてみました。
そうしたら、「元気です。大丈夫です」という返信がありました。

その言葉を鵜呑みにすることは出来ませんが、Ayuちゃんも2児の母親、少しずつたくましくなっているのではないかと想像しています。
複雑な家庭で育ったAyuちゃんには、何とかしあわせになってほしいです。

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英検2級受験に向けて [英語]

チャレンジ高校の受験以来通って来ているFちゃんも、この4月で高校3年生になりました。

心身共の不調は時折見られるものの、Fちゃんは目的があると俄然やる気になります。
現在は、6月実施の英検2級に向けて頑張っています。

準2級までは順調に進んでいましたが、2級はそう簡単には受からないと思っていました。
そこで、今回は挑戦のつもりで受けてみようということになり、今回の試験で50%から60%取ることを目標にし、次回で合格するという計画を立てていました。

Fちゃんは記憶力もいいし、理解力もあるので指導するうえで困ったことはありません。
4年間通って来ていて、今年、浪人することになったSちゃんと異なり、学校の勉強にアンが関わらなくてすむので、その点も楽です。
丸暗記を強いられるSちゃんの定期テスト対策には多大な時間を取られ、その意義も見出せなかったアンには、時間の無駄としか思えませんでした。

Fちゃんの弱い点は、整理整頓が苦手なこと、そのため教材が見つからなくなってしまうことが間々あります。
また、30分から1時間ほどの遅刻はよくします。
これまでは、去年、お母さんが亡くなったこともあり大目に見ていたのですが、先のことを考えるとよくないので、注意してもらうことにしました。
勉強も大事ですが、睡眠、休養、そして食事など、日常生活はもっと大事なことだと、アンは思っています。

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