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不登校2割増、最多29万人 [アンおばさんの教育ミニコラム]



文部科学省が実施する「児童生徒の問題行動・不登校調査によると、2022年度の不登校の小中学生は過去最大の29万9千人で、前年度日22.1%の大幅な増加とのことでした。朝日新聞に掲載されていた記事では、大阪公立大学の山根則子教授が「コロナ禍による家庭の経済不安などが子どもにストレスを与える状況が続き、不登校という形で強く表れたのではないか、と分析していました。

その一方で、都内は空前の建築ラッシュということで、7000万円~1億円もする一戸建てやマンションが飛ぶように売れているそうです。
けれど、ごく一部の富裕層を除けば、アンも含めて、一般の庶民は日常の生活で、あれもこれもという感じで物価高を身近に感じ、それと比例して給料も上がらないことから、家計を維持するのに四苦八苦しているのが現状ではないでしょうか。
共働き家庭も多く、そうなると夫婦ともに忙しく、気持ちにも余裕がなくなって、イライラすることが多くなり、わが子とゆっくり会話する時間もなくなり、子どもも学校で何か問題があっても、それを親に言ったとしても、じっくり聞いてもらえず、「言っても無駄」とあきらめてしまうことが多いのではないかと思います。

多かれ少なかれ、この社会で親も子もストレスを感じながら暮らしているので、同じような思いを感じている子どもたちが通う学校では、そんな思いを共有することは不可能で、学校が楽しい場所ではなくなっていることも想像できます。

今は以前ほど、不登校を問題視する傾向も少なくなり、子どもが学校に行かなくなったからといって、親が必要以上に子どもを責めて、学校に行くことを強制したり、または自分の子育てが悪かったのだと思う必要はないと思っています。
言ってしまえば、人に対する優しさや温かさが欠如してしまったこの社会に問題があると思っています。
そうかと言って、形の見えない社会を責めてもはじまりません。

現在、私が時々話をしていた小学3年生の女の子は10月から、給食だけ食べに学校に行くようになりました。
行き始める前よりも、「学校がこわくなくなった」と話しています。
家の外でも友だちと遊べるようになったそうです。

今回の調査でアンが気になったのは、小・中学生の4割が学校内外の専門機関に相談していなかったという事実です。
アンの家庭塾にも始めた当初は断わらざるを得ないくらい不登校の生徒が来ていたのに、最近はそれが途絶えています。
親が子どもを強制的に学校へ行かせようとせずに、「時期がくれば行くようになるだろう」と子どもを信じて、おおらかな気持ちで待っていれば、そういう日も来るかと思います。
けれど、目の前に学校に行かないわが子がいれば、冷静に対応することも難しいでしょう。

アンはやはり、家族以外の誰か、信頼できそうな人――優しい人より、温かい感じのする人――に相談に乗ってもらうのがいいように思います。
アンが信頼できるかどうかは、ブログを読んでくださる方に判断してもらうしかありませんが、保護者も生徒も勇気を出して、一歩踏み出してもらえればと思います。


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