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都立チャレンジ高校の学校説明会 [受験・進路]

令和6年の受験に向けて、都立チャレンジ高校の学校説明会が10月から始まります。
不登校、学力不振でチャレンジ高校への進学を考えている中2・中3の生徒は、この機会に高校に行き、学校の雰囲気や説明してくれる先生、お手伝いの在校生を見て、自分に合った高校かどうかを判断するとよいと思います。
特に、不登校の生徒は、学校説明会や文化祭、体験授業、授業公開その他に行くことで、高校に進学したいという気持ちが生まれ、前に進む一歩になるはずです。

願書とともに提出する「志願申告書」には、その高校を志望する理由を書く欄があるので、学校案内のパンフレッドを書き写すだけでなく、自分の目で見て感じたことを書くことが求められます。
なお、文化祭に行くことが、それぞれのチャレンジ高校の良さや雰囲気がわかるので、一番いいと思うのですが、1校を除きまだ公開されていませんでした。
また、学校説明会その他は事前申し込みが必要な場合もあるので注意が必要です。

ネットで調べて分かった情報だけ下記に記します。

六本木高校(港区)[電話]03(5411)7327 学校説明会*10月21日(土)、12月2日(土)、1月3日(土) 体験授業*11月11日(土)

大江戸高校(江東区)[電話]03(5606)9500 学校説明会*10月1日(土)、10月22日(日)、11月11日(土) 授業公開*11月13日~11月17日(金)、1月15日~1月9日(金)

稔ヶ丘高校(中野区)[電話]03(3 970)8655 学校説明会*10月1日(日)――9/15~24日受付、11月11日(土)、 12月9日(土)、1月13日(土)

桐ヶ丘高校(北区)[電話]03(3906)2173 
まだ掲載されていませんでした。

世田谷泉高校(世田谷区)[電話]03(3300)6131 文化祭*10月27日(金)入学志望者・保護者のみ、10月28日(土) 学校説明会*11月11日(土)、12月9日(土)、1月20日(土) 体験入学*11月11日(土)――申し込み 9/1(金)~9/29(金)

小台橋高校(足立区)[電話]03(3913)1111 学校説明会*10月1日(日)、11月9日(日)、12月10日(日)、1月7日(日)        申し込み 9/1(金)~9/22(金)、10/13(金)~10/14(土) 授業公開(11月下旬)

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不登校、学力不振の公立高校の進学先 [受験・進路]

不登校、学力不振の公立高校の進学先として考えられるのは、都立チャレンジ高校とエンカレッジスクールだと思います。

アンの認識としてはチャレンジ高校は、受験については内申書がいらない(中学の成績や出席日数が問われない)、学力考査はなく事前に書いて提出する志願申告書2枚(①入学を希望する理由、②将来の夢・希望、③高校生活への抱負 Ⅰ教科の学習、Ⅱ教科以外での活動、⓸自己PRの4項目で1200字~1500、1600字程度)、試験内容は600字程度の作文と面接です。

授業は中学の復習から始め、学年が進んでも中身は殆どの生徒がついていけるものです。
成績が良くなくても、出席率が極端に悪くなければ、普通程度の成績は取れます。
重視されるのは何と言っても出席率です。

不登校だった生徒が通いやすいように、午前部、午後部、夜間部があり、希望する部の授業を受けることができます。午前部は比較的元気な生徒、午後部や夜間部は不登校だった生徒に合っているようです。
雰囲気については学校説明会や文化祭に行って、生徒本人に合いそうな高校を直観で選ぶのがよいかと思います。

エンカレッジスクールは、受験については内申書(調査書点、観点別評価で、かなり勉強が苦手な生徒でも問題はないと思います)、事前に書いて提出する自己PRカード1枚(①志望理由、②中学校生活の中で得たことについて、③高校卒業後の進路についてで500~600字程度)、試験内容は作文、面接、実技検査(10分程度の日本語の講和を聞き、その内容について400字程度で記述します。ただ、練馬工業のような工業系のエンカレッジスクールは実技は物づくりになるようです。

授業はやはり中学の復習から始めますが、チャレンジ高校のように単位制や定時制ではなく、全日制なので一般の普通科高校と同様に授業は朝から午後まであり、選択科目も限られています。
授業時間は30分授業と50分授業の両方を取り入れています。
雰囲気も、不登校だった生徒も受け入れていますが、チャレンジ高校ほどそこに配慮した指導は行われていないと思います。

どちらを選ぶにしても、作文は必要です。 アンは、作文が入試に含まれているという理由だけでなく、不登校だった生徒も、勉強が苦手だった生徒も、高校に入学する前に一度自分を振り返り、自分を言葉で表現する機会を持っことが、将来への展望を拓くことにつながっていくと思っています。

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大学合格の知らせ [受験・進路]

つい先日、チャレンジ高校から指定校推薦で大学に合格したという連絡が入りました。
「2015年度 チャレンジ高校受験を振り返って」のO君です。

今年の春頃、OA入試、出来れば指定校推薦で大学に行きたいと考えているのだけれど、小論文を見てくれないかという依頼がお母さんからありました。
チャレンジ高校に入学した生徒がそこで頑張って、大学進学を目指すようになり、そのために再びアンのところに戻って来てくれるのは、アンにとっては本当にうれしいことです。

けれど、高校での成績を聞いたら素晴らしい成績で、学校内での指定校推薦の枠に入れると思ったし、O君の通うチャレンジ高校は先生方の指導も行き届いていると聞いていたので、アンの所にわざわざ通って来なくても大丈夫だと思いました。
それでも、AO入試にも対応出来るようにしておきたいとのことで、6月から通って来ていました。

合格する可能性が高いと思いつつ、引き受けたからには、出来るだけのことをするというのが通常のアンのスタンスです。そこでまず、志望大学のオープンキャンパスにO君親子と一緒に行きました。
アンが行く前にも、その後にも、O君はオープンキャンパスに何度も参加し、実際に授業を経験するなどして、推薦で入れそうな大学ということより、気に入って入りたい大学になっているようでした。
アンについては、大学のパンフレットやホームページを読めばおおよそのことはわかるし、それだけで対応することも可能でした。

ただ実際に足を運んでみると、大学のランクにかかわらず肌で感じ取れるものがあり、学長や先生方の姿勢や話の内容から、大学の理念や運営方針がわかり、これから発展していきそうな大学か、停滞していて生徒にはあまり勧めたくない大学かがわかったりもします。
また、「志望理由」を書く際にも、パンフレットやインターネットには書かれていない、生徒独自の生の意見を書くことも出来ます。
チャレンジ高校についてもそうですが、指導を引き受ける際に、志望する高校や志望大学に関わる側が行くのは当然のことだと思っています。

AO入試の「志望書」の用紙もすでにO君が手に入れていたので、それから始めました。
チャレンジ高校、大学、さらには就職試験についても、年齢によって内容や、表現の違いはあるものの、相手が見るのは本人のやる気の一語に尽きると思っています。
みせかけのやる気でなく、本人の内面から出てくるやる気がポイントになるはずです。
思いつかない場合には、それを作っていくことも必要です。

高校受験の時は、アンが何かいうと反射的に「ムリムリ、出来ない」を連発していたO君でしたが、それは影を潜めていました。
また、高校受験の時は、中学の時に不登校だったということもマイナス点にはなりませんでしたが、大学受験ではその間の事情は加味してもらえません。

一般の生徒と同じように高校でどれだけ頑張ったか、大学で何を勉強したいか、将来についての展望はどうかなどを具体的に書けたり、面接の時に言えなければなりません。

O君はチャレンジ高校を受験する際に、基礎的な勉強が身についていないのが気になるので、高校では勉強をしっかりやる、勉強だけでなく部活にも入って最後までやり抜くことを挙げていましたが、言葉だけでなく見事にそれを実現させていました。
中学の時に不登校だったO君が毎日休まずに学校に通い切っただけでも評価出来ることなのに、3年間、勉強も部活も両方頑張ったことは大したものだと感心しています。(本人は当たり前のこととして涼しい顔をしていましたが…)
ほとんどの生徒が気持ちはあるものの、勉強に対しては行動が伴わない中で、言葉と行動を一致させたのですから。
自分の利点や、高校で勉強する中で得意な分野にも気づいたようで、それが大学の学部選びにもつながっていきました。

9月になると、校内の指定校推薦の枠にも入れたことがわかりました。
AO入試用の願書、指定校推薦用の願書と、時間をかけて2種類仕上げましたが、その過程で、自分自身を見つめ直し、大学でも頑張ろうという意志が固まったのではないかと想像しています。
O君の将来にも期待が持てそうです。


英語がついていけないと困るということで、大学に入学する前に、アンのところにもう少し通って来ることになっていたのですが、入学前に早急に提出しなければならない課題が出たとのことで、まずは小論文から始めることになりました。




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エンカレッジスクール 都立蒲田高校の学校見学会 [受験・進路]

蒲田高校  ホームページ http://www.kamata-h.metro.tokyo.jp


8月3日、蒲田高校の学校見学会に行って来ました。これまでエンカレッジスクールの存在は知っていたものの、チャレンジ高校とエンカレッジスクールの違いを明確には把握していなかったために、実際に足を運んで確かめたいと思ったからです。
また、チャレンジ高校に不合格になり、エンカレッジスクールに通うことになった生徒から、エンカレッジスクールの方が自分には合っていた、指定校推薦でこの秋にも大学進学が決まるという話を聞き、さらに気持ちが動いたのもその理由です。

ここ最近は私立の通信制高校を中心に見学してきたせいか、平成24年にリニューアルされたという蒲田高校の5階建ての校舎、柔道場や剣道場を備えた体育館、グランド、テニスコート、屋上プール、トレーニング室、さらには菜園まである学校の広さや施設の充実ぶりに、全日制の普通科の高校のイメージが重なりました。
蒲田高校の先生方もごく普通の公立高校の先生という感じでしたが、ピシッとしていて活気もあり、熱心な印象を受けました。
学校見学会に参加した生徒と父兄は、60名~70名程度だったと思いますが、父兄より生徒の数の方が多く、生徒たちはまじめで大人しい感じがしました。
夏休み中の、部活に参加している在校生も見学に来ていた中学生と同じような感じで、ごく自然に挨拶してくれて好感が持てました。

今回のブログは、蒲田高校のホームページに載っている内容にも多少は触れますが、個人面談でアンが質問し、先生に説明していただいた内容を中心に書いていきたいと思います。

・チャレンジ高校とエンカレッジスクールの違いは何ですか?

チャレンジ高校」は主に不登校の生徒を対象にしていますが、「エンカレッジスクール」は、勉強が苦手で、高校で学び直して学力を確実に身につけたい生徒を対象にしています。

・都立高校でも私立の高校でも今は、中学校の成績がオール3以下だと、入れる高校がないという話を聞きますが、その点はどうでしょうか。

オール3を取っていれば推薦の基準に達しています。2が少しあっても大丈夫です。

・不登校の生徒は内申点がないので、合格は難しいですか。

内申がなくても、面接、作文、実技検査で点を取れば合格出来ます。ただ、本校はチャレンジスクールとは異なり、朝8時30分から午後3時過ぎまで、中学と同じ6時間の授業がある全日制の高校なので、合格しても来られなくなる生徒も中にはいます。
不登校だった生徒の割合はおよそ2割程度です。

・入学試験の内容を教えてください。

人物本位の入学試験を行っています。調査書、面接(自己PRを含む)、小論文(課題文を読み、50分で500字程度書く)、実技検査(10分程度の講話を聞き、その内容について自分の考えを述べる)の総合得点で合格を決めます。面接重視で、見た目も大切です。

・科目試験がなくても、試験内容としては難しい気がするのですが、いかがですか。

志願理由などを書く「自己PRカード」は、生徒だけで書くのは難しいので、学校の先生、または保護者などに見てもらうといいです。また、作文についても、試験までに、予想出来るパターンについて練習を重ね、書けるようにしておくとよいです。

・1月の推薦入試、2月の前期募集、3月の後期募集と、試験は3回ありますが、3回とも受けられますか。

はい。受験チャンスは3回あります。ただ、後期試験は倍率が高くなるので、心して臨む必要があります。

・高校入学後の学習はどのように進めているのですか。

中学の復習から始めます。高校の勉強は基礎、基本を中心に、教科書も一番やさしい教科書を使って学習します。
1年生は1時間目、2時間目に数・国・英の30分授業を毎日行い、反復学習で学力をつけていきます。
また、8時30分~8時40分まで朝学習を行い、基礎、基本の定着を図るとともに、学習習慣や生活習慣をつけていきます。
中間、期末テストは実施せずに、学期当初や2か月ごとに確認テストを行い、学力の定着を図るとともに、提出物や日々の授業の取り組みも成績に反映されます。

・進路指導はどのように行っていますか。

充実した指定校推薦のある進学指導とハローワークと連携した就職指導により、進学・就職ともに希望者全員の合格・内定を実現しています。28年度実績は大学21%、短大2%、専門学校28%、就職37%でした。

※勉強以外でも、部活動、地域ボランティア・農業実習などを含む体験授業、宿泊体験研修、学校祭などさまざまな活動が行われている。


アンの感想;

学校見学会の冒頭で、校長先生が高校で学び直して、学力を身につけたい生徒が通って来る高校と言われていたように、これまで勉強が苦手だった生徒が進学する高校としては、最適な学校だと思いました。
この学校で学習しているうちに、わからないところがわかるようになってやる気や自信がつき、中学の時には思ってもみなかったよい成績を取って、指定校推薦で大学に進学する生徒がいる、というのも頷ける話です。
それは、生徒の能力ややる気を考慮せずに、ただやみくもに難しい勉強を強いるのではなく、毎日の朝学習や、1年次の毎日やる30分間の数・国・英の繰り返しの学習、学力の定着を図るために行う確認テストなどが有効に働いていると思ったからです。
上記に書いた、家庭塾に通って来ていた生徒も、とてもまじめな生徒だったので、チャレンジ高校に不合格になって、その時は落ち込みながらも、エンカレッジスクールに入学してから頑張り続けたので、指定校推薦の資格が得られたのだと思います(今年のお正月、各教科のすばらしい成績を記した年賀状を受け取っています)

アンが家庭塾を始める前の家庭教師時代は、不登校ではなく、勉強が極端に苦手な生徒(5教科のテストの合計が百点未満)を見ていたのですが、このタイプの生徒に勉強が出来るようになってもらうためには、毎日の繰り返しの学習がぜひとも必要でした(週に一度の指導では小さな成果しか出せませんでしたが、やる気や学習習慣だけはついたと思います)。

ただ、これを生徒だけでやるとなるとほぼ無理な話なのですが(能力よりやる気の問題が大きいです)、その部分を蒲田高校はサポートしてくれるのですから、心強いです。生徒に自信をつけさせ、生徒それぞれの進路実現を支援する先生方の努力と、生徒の学習や生活への日々の積み重の相乗効果は期待ます。

また、最近は進学実績だけを重視する高校が多い中で、進学だけにこだわらずに就職希望の生徒や、進学希望でも家庭の事情でそれが叶わない生徒への、きめ細かな対応がなされていることも共感できました。

最後に、服装、頭髪などの生活指導やマナーなどは厳しいとのことでしたので、自由を求める生徒や、やる気のない生徒には向かないと思いました。

また、夏休み中は高校受験の大事な時期なので、蒲田高校でも受験対策のサポートをしているといいます。
アンの記事には、不確かな面、またアン独自の意見も入っているので、興味を持たれたら夏休み中に学校見学をお勧めします。8月は10日、17日、24日の午前10時から12時までで、事前の予約が必要です。


※蒲田高校の他に、エンレッジスクールは足立東高校、練馬工業高校、秋留台高校、東村山高校があります。


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不登校、学力不振の学校訪問(5) 科学技術学園高校 [受験・進路]

科学技術学園高校  ホームページ http:/www.kagiko.ed.jp/

東京都世田谷区にある「科学技術学園高校」東京校のオープンスクールに行ってきました。小田急線「成城学園駅」から徒歩12分~15分ほどの、静かな環境の中にありました。
校門から校舎に続くエントランスがしゃれていて、校舎や教室の雰囲気もいいと思いました。
会場は体育館でしたが、そこに入って驚いたのは、参加者の多さでした。公立の小規模校の小学校や中学校の全校生徒を集めたくらい、あるいはそれ以上に感じられ、夏休みに入って間もないこの時期から学校見学を始めた生徒本人や保護者のやる気は、その後の受験にプラスに作用すると思いました。

校長先生の挨拶の後に、スクリーンで学習方法の説明がありました。これまでアンが見学した高校の中で、授業や教科の内容に具体的に触れていたのは、NHK学園高校だけで、チャレンジ高校やその他の学校でもなかったので(科学技術学園高校が今回はオープンスクールだったことも関係あると思いますが)、きちんとした学校という印象を受けました。

(昼間定時制)通学コース

昼間定時制(校舎や校庭が一般の高校より多少狭いため)で通信制という形はとっているものの、通学コースは全日制と変わりはなく、週5日ではなく、週4日登校というところが異なっているくらいとお聞きしました。週4日の登校で、レポートの内容も授業でやるので、レポートも消化しやすいとのことでした。

火曜から金曜までの登校で朝から授業がありますが、午後の4校時と5校時は個別学習に当てられています。個別学習では、個々のレベルに応じて苦手な科目を重点的に学習したり、得意な科目をさらに伸ばしていくなど、ひとり一人の理解のペースに合わせて、オリジナル教材の演習プリントを配布するなど、「わかる授業」を大切にしているといいます。

1年次は、全員がタブレットを使用する参加型授業で、先生が個々の生徒の理解度やつまずきをその都度、確認出来るようになっていることも特徴です。
2年次からは、希望進路に合わせた、「総合選択制」を導入し、カリキュラムを自分で組み立てることが出来ます。

授業風景や部活動はさっと見た程度ですが、生徒達は落ち着いて授業を受けていました。英語の授業に興味があったので、そこで少し立ち止まりましたが、先生がゆっくりと丁寧に話していて、わかりやすい授業だと思いました。
部活については、教室の後ろで見学していると、1人の生徒が自発的にといった感じで説明に来てくれて、その態度に好感が持てました。
部活動や行事もかなり盛んなようです。

募集は男子生徒のみで、中学の成績や出席日数は問わないとのことでした。試験は数学・国語・英語で、ごく基本的な内容だそうです。
初年度納入金は入学金も含めて100万円程度、高等の就学支援金を入れると、それより10万円から30万円程度安くなるようです。
2年次と3年次は60万円前後でした。

なお、通学コースでも後述する通信制の登校コースのスクーリングに参加したり、数学、英語などのeコンテンツを活用して、自宅で学習が出来るそうです。


(アンの感想)

個別面談を受けて、この学校が勉強をやり直したいと思っている生徒に適した高校だということがわかりました。中学時代に不登校だった生徒もいるとのことでしたが、勉強が苦手だった生徒の方が多く、学習サポートに力を入れているとのことでした。学校案内のパンフレットにも、生徒の言葉として、この学校に入学してから勉強の仕方が分かり、意欲が湧いてきたと書いてありました。

先生方も全体的に温かい感じで、チームワークもよく、メリハリがあって、熱心な感じがしました。そんな先生方の力もあってか、生徒も総じて生き生きしているように見えました。
都立チャレンジ高校で一番人気があり、倍率も高い大江戸高校に雰囲気が似ているような気がしました。
また、生徒がみな真面目そうで、礼儀正しかったことも印象に残っています。
アン個人としては、勉強が苦手な生徒がやり直す学校としては、お勧めできる高校だと思いました。
ただ,通学コースについては、週4日、朝から夕方まで通う自信がない生徒や、先生方も生徒達もきっちりしている印象を受けたので、ゆるい感じが好きで、自由にやりたい生徒には向いていないかもしれません。
その場合は、下記の通信制の登校コース、eラーニングコースがオススメです。

(登校コース、eラーニングコース)

上記の週4日通学コースと比較すると、こちらのコースの説明会への参加者は少なく、若干名でした。学習方法は、教科書や学習書などの教材を使って自分でレポートを仕上げて提出し、その他にスクーリングへの出席と、単位認定試験にパスして、卒業に必要な単位を修得していきます。
学習場所も通学コースの生徒が来ない曜日は本校ですが、その他は「成城学園駅」近くの校舎で少人数で学習するそうです。

登校コースには、スクーリングが週1日の「日曜クラス」と、週2日(木曜・土曜)の「平日クラス」がありますが、両クラスとも互いのスクーリングが受講出来るといいます。また、平日クラスには基礎学習授業(月曜)を受けられる「3日コース」もあります。さらに、登校コースでも通学コースのサークル活動や特別活動には参加出来ます。

eラーニングコースは、パソコンやスマートフォンを利用し、自宅でインターネットで講義を受けるのが基本です。講義は24時間いつでも受けることが出来ます。
Eラーニングコースも、登校コースと同様にサークル活動、特別活動に参加出来ます。

募集は男女共にあり、制服はないそうです。入学試験は面接のみで学科試験はなく、面接重視だそうです。中学校からの調査書作文(400字程度)を事前に提出することも必要になります。
学費については、3年間の学費合計が80万円強、就学支援金を入れると、実質合計は46万円程度になるようです。

最後になりますが、科学技術学園高校に興味を持たれた生徒や保護者の方は8月27日(土曜)に2回目のオープンスクールがあり、体験授業や部活動もあるとのことなので、実際に行ってみることをお勧めします。


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不登校、学力不振の学校訪問(4) 東海大学付属望星高校 [受験・進路]

7月初旬、東海大学付属望星高校の第1回目の学校説明会に行ってきました。その日は雨で、夏休み前ということもあり、参加者は少ないのではないかと想像していたのですが、一列に9人ほど座れる普通教室で、後ろの席がわずかに空いているくらいでした。
生徒の数に比べると、保護者の人数の方が多く感じられましたが、両親揃って見えている方もかなりいて、教育熱心な印象を受けました。

先に記事にしたNHK学園高校、立志舎高校と同じく望星高校も通信制の高校ですが、現在のところ、アンは全日制の一般の高校に近いイメージの高校を選んで学校訪問をしています。

学校の所在地は渋谷区富ヶ谷で、新宿、渋谷、下北沢の各駅からそれぞれ15分ほどの距離にあるとのことでしたが、アンは小田急線を利用し、代々木八幡で下車して、それから8分ほど歩いて行きました。
先に紹介した立志舎高校と同様に、校舎が道路際にあるために、入口では学校の雰囲気はわかりませんでしたが、中に入ると、普通教室、図書室、美術室、生物、化学実験室など、普通の高校と何ら変わりはないと思いました。
また、屋上と地下には体育施設があり、そこは運動系の部活でも利用されているようです。部活動も盛んで、野球部など様々な大会にも出場しているようです。

校内にスタジオがありましたが、そのスタジオで、同校の先生方が、オリジナル通信講座を制作しているそうです。タブレットやスマホで見る先生と、実際にスクーリング等で授業を受ける先生が同じというのも、同校の特色だといいます。また、インターネット配信なので、講座は何度でも繰り返し受講出来るそうです。

通信制高校の学習システムはどの高校も同じ(学校に通って授業を受けるスクーリングの回数が月に1~2回から、毎日通うところまで様々ですが)、望星高校を例にして、もう一度書いておきたいと思います。
1. 履修登録(望星高校は、履修する科目は自分で選ぶ)
2. ネットで授業を受ける。または教科書と補助教材だけを使用して自宅で学習する。
3. レポートを作成して、提出する。
4. スクーリングに出席する。
5. 期末試験を受験して、単位を修得する。

望星高校については、以前に通信制高校の合同説明会で話を聞く機会があり、ブログでも紹介していたのですが、今年(2016年度)から毎日通うコースが廃止され、変更になったとホームページに書いてあったので、どのように変更になったのか、理由は何なのか知りたいと思い、足を運びました。

個別面談を受けてわかったことは、スクーリングは月1~2回、水曜日または日曜日に実施され、これは全員参加だといいます。
それ以外に、学校でレポート指導や基礎学習を受けたい生徒は、月曜日から木曜日の午前中はサポート学習、午後は自学自習や生徒会活動、部活動に参加出来るといいます。金曜日は校外行事・校外授業(キャンパス見学会、農業体験、文学散歩や代々木公園散歩、ミュージカル鑑賞他で、これらは単位にもなる)など等に当てられています。
スクーリングへの参加は義務づけられていますが、それ以外の登校については生徒に任されており、毎日でも、週に1日でも2日でも3日でも生徒が自由に選べるそうです。
昨年までの毎日通うコースがなくなったのは、毎日通うことが生徒にとってハードルが高いと判断したからだと想像出来ました。
不登校など様々な状況の生徒に対応出来るように、スクールカウンセラーが常駐し、医師の診断も予約制で受けられるといいます。

2017年度の募集については、男女共学で、新入生は350名(推薦70名、一般280名)、試験内容は推薦、一般ともに作文(400字)と面接です。なお、作文の内容は「自分自身の今後について」だそうです。
学費は1年間で27万円程度、また対象世帯には月額1万円程度の高等学校就学支援金が交付されます。


アンの感想

以前の合同説明会で話を聞いた時もそうでしたが、今回の説明会や個人面談からも、同校は大学進学を目指している生徒にはオススメの学校だと思いました。高校側も進学を視野に入れた生徒や、学習意欲がある生徒を希望しているようです。
東海大学の付属高校というのは強みだと思いますし、事実、通信制高校としては断トツの進学率で、実績も全日制高校と並んでいるようです。説明会場で在校生が経験談を語ってくれましたが、二人共、私立高校からの転校生で、勉強も部活も強いられるのではなく、自分のペースで出来るので、充実した高校生活が送れているとのことでした。また、私立中学からの入学生も多いようです。

アンの個人的な意見になりますが、大学進学を目指すなら、都立チャレンジ高校よりも、望星高校の方がいいように思いました。東海大学は総合大学なので学部も多いし、もちろん、全員が進学出来るわけではありませんが、東海大学、またはその他の大学に進学出来る可能性が大きいと思うからです。
3年で卒業出来る生徒の割合が85パーセントというのも、進学を抜きにしても高い数字だと思いました。

※その他、望星高校について知りたい生徒及び保護者の方は、ホームページ http:/www.bosei.tokai.ed.jp/  または、以前にアンがアップした望星高校の記事を読んでいただければと思います。



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大江戸高校の授業公開及び7月~8月のチャレンジ高校の予定 [受験・進路]

アンが階段から足を踏み外して骨折してしまったために、5月の初旬からこれまで外出することを控えていましたが、やっとリハビリ通院が始出来るまでに回復しましたので、少しずつになるかと思いますが学校訪問を再開することにしました。

今週は、生徒のお母さんから情報をいただいたので、大江戸高校の授業公開(6月20日~6月24日)に行って来ました。
チャレンジ高校の中では大江戸高校は倍率も高く、例年、家庭塾に通って来る生徒にも人気のある高校なので、合格するためにはそれなりの力が必要だと思っていましたが、入学後の授業内容については全くわからなかったので、実際の授業を見ておきたいと思ったからです。

見学した授業は現代文、古文、英会話、数学です。
現代文は中島敦の「山月記」、古文は「竹取物語」、英会話はネイティヴの先生による「お茶の入れ方」、数学は「三次方程式」でした。

どのクラスも生徒は10数名で、生徒たちは雑談を交わすこともなく、まじめに授業を受けていました。高校の授業風景はもう少しざわついていると想像していたのですが、とても落ち着いた雰囲気だったので心地よく授業を見学出来ました。
高学年の授業だったようで、内容も通常の高校のレベルと変わりがないように感じましたが、どの教科の先生方もみな、言葉がはっきりしていてわかりやすく、説明がゆっくりと丁寧なのが印象に残っています。
当日は通常の授業よりも生徒たちも意欲的に授業を受けていたのかもしれませんし、アン独自の感想になってしまいますが、勉強に拒否反応がある生徒より、とりあえずは勉強する気のある生徒に向いている学校のように思いました。


学校案内のパンフレットや資料をいただいてきましたが、その中から今年(平成28年度)の作文問題を参考までに載せておきます。

インターネット・携帯電話の利用に関して、都立高校生の26.7パーセントが一日に3時間以上SNSを利用し、都立高校生の88.0パーセントは家庭等でルールを決めていないという調査結果が出ました。このことを踏まえて、あなたは、どのようにインターネット・携帯電話と関わり、どのような高校生活を送りたいかわ600字程度で具体的に述べなさい。


上記の問題は、インターネットや携帯電話を日常的に使っている生徒や、自分の意見をもっていて、それを相手に伝える文章が書ける生徒なら難しくはないかもしれませんが、そうでない生徒にとってはハードルは高かったと思います。また、課題文の読解、つまり課題文が求めている主旨を把握する能力も必要です。


大江戸高校 ホームページ http://www.oedo-h.metro.tokyo.jp/

・学校見学(要予約)月曜日~金曜日((祝日を除く)  10:40~・15:30~


稔ヶ丘高校 ホームページ http://www.minorigaoka-h.metro.tokyo.jp/

・学校公開(予約不要)6月27日(月)~29日(水)

・体験入学:7月22日(金)13時~・14時~(6月21日(火)13:00受付開始・先着順)

・個別相談  夏季休業期間中の学校見学は、後日、掲載予定。


六本木高校 ホームページ http://www.roppongi-h.metro.tokyo.jp/

・学校見学:5月16日より実施  7月1日から7月14日まで月曜日~金曜日(見学時間についてはホームページ参照)

夏季休業期間中の学校見学は、後日、掲載予定



桐ヶ丘高校  ホームページ http://www.kirigaoka-h.metro.tokyo.jp/

・体験入学  第1回  7月22日(金)      
      第2回  7月26日((火)

( 申込開始7月5日(火)13時より)

・夏季休業中学校見学(個別相談)  7月21日(木)より受付開始



世田谷泉高校  ホームページ http://www.setagayaizumi-h.metro.tokyo.jp/

学校見学会   平日 7月4日(月)~1月13日(金)  
        夏休み7月21日(木)~8月31日(水)
          (6月中旬から電話予約)





不登校、学力不振の学校訪問(3) 立志舎高校 [受験・進路]

立志舎高校
東京都墨田区大平2-9-6
TEL 03-5608-1033
ホームページ http://www.risshisha.ed.jp

立志舎高校はJR総武線の錦糸町から徒歩5分ほどの場所にあります。
私立の新設高校として、東京では11年振りに誕生した学校とのことですが、通信制の形をとっているのは、単に校庭が東京都の基準より狭かっただけの話で、外から見た感じも、校舎内も普通の高校と何ら変わりはありませんでした。

アンが立志舎高校を訪れた理由は、都立チャレンジ高校を受験する生徒の併願校、または不合格になった場合の進学先として勧められる高校だと思ったからです。というのは、家庭塾に通って来る生徒は、不登校や学力不振で、元気がなくなっていたり、勉強が苦手だったり自信がなかったりしますが、家庭塾には休まずに通って来て、やる気はイマイチでも最終的には頑張る力を持っている生徒がほとんどなので、出来れば普通の高校でやっていってほしいという気持ちがアンになるからです。
また、立志舎高校の特徴であるゼミ学習なら、勉強が苦手な生徒でも抵抗なく学習でき、勉強にも興味が持てるようになるのではないかと考えました。

ゼミ学習というのは、①全員が黒板に向かって先生の話を一方的に聞くだけの受け身の授業ではなく、机を向かい合わせにして6~8人ずつのグループを作って授業を受ける。②授業が始まると、まず先生が要点や解き方を説明する。③次に演習問題を自分で解いて、わからないところや、疑問に思ったところを友達に質問したり、自分の考えも述べたりして、グループ内で協力しあって学習する。④それでもわからない問題は、グループの全員がわかるまで、先生の説明を聞いて理解する。
という順序で学習が進んでいくスタイルのことです。

「ゼミ学習の長所」として、主なものを挙げてみると、①一方通行の講義と違い、先生に質問しやすい。②明るく楽しく学べる。③友達ができる。④ゼミ学習は表現力がつき、受験面接などに有利。⑤眠くならない。
など等ですが、立志舎高校を志望した生徒も、在校生もこのゼミ学習には魅力を感じているようです。

立志舎高校は勉強が苦手な生徒が多いとのことでしたが、勉強が苦手でも出来るようになりたい、わかるようになりたいとは思っているはずなので、わからない点をそのままにしないで、授業中に友達に聞けたり、先生に質問して解決来るのはいいことだと思いました。

ホームページや学校案内のパンフレットを見てもわかりますが、面談していただいた先生によると、元気のいい生徒が多いとのことでした。

クラブ活動も非常に盛んで、体育系クラブは全て、定時制や通信制高校ではなく、全日制高校の大会に出場しているそうです。
また、行事やイベントなども活発で、先生、生徒ともに生き生きと楽しんでやっている様子が写真からも伝わってきました。

入学試験は、立志舎高校を第一志望とするA推薦は、書類審査と面接、一般入試と併願は書類審査と、作文、面接で、主として学習意欲の有無を確かめるそうです。
試験日は推薦入試と併願入試は1月、一般入試は2月から3月中旬まで何回かに分けて実施しているようです。

授業料は、初年度は入学金を含めて、700,000円程度です。就学支援金の支給を入れると、10万円程度軽減されるのではないかと思います。
なお、立志舎高校には全日制のほかに、週に1度土曜日に通う通信制もあり、平日コースと土曜コースで行き来も出来るといいます。

平日コースの授業は9時半から4時までの6時間授業ですが、進学クラスや特進クラスは授業時間が長くなり、特進クラスを希望すると、午後7時まで、土曜日も授業があります。


アンの感想

(あくまでもアンの意見なので、偏った点があるかと思います。興味を持たれた生徒や保護者の方は、実際に学校に足を運んで、自分の目や耳で確かめてみてください。)、
不登校や学力不振の生徒を受け入れている立志舎高校の魅力は、一般の生徒が思い描く、朝から学校に行って勉強し、クラブ活動にも参加して、友達も作って楽しい高校生活が出来るということだと思います。
通常だと、不登校や学力不振だと内申点が基準に達しないために、私立の高校に入学することは断念しなければならないか、または単願入試で何とか入学出来たにしても、入ってからの勉強についていくのが大変だと予想されます。けれど、立志舎高校は入学前の成績より、入学後の生徒の頑張りに期待するというスタンスが感じらました。

ゼミ学習は、勉強が苦手な生徒でも、わかれば楽しくなるとの考え方から、どうしたら楽しく勉強してもらえるかを模索し続けて辿り着いた、学習スタイルだという気がします。
また、人間関係が苦手な生徒もグループ学習ならしぜんに友達と話すようになるので、それもメリットだと思います。
ただ、それが生徒同士の単なるおっしゃべりになってしまっては意味がないので、そこは先生方も心に留めておられるようでした。

面談していただいた山崎先生によると、校則は緩やかで自由な部分が多いけれど、1年間で75パーセントの出席、遅刻はしないなど最低限のルールは守ってもらうとのことでした。その部分は、通信制サポート高校ではなく全日制なので、当然のこととアンも思いました。
特進クラスを希望すると、午後7時まで授業があり、指導する先生方はさらに学校に長くいることが求められると思ったので、アンが思わず「大変ですね」と口にすると、「朝が遅いので、問題ありません」と、さらりと返答されました。何の気負いもない感じで、それが印象に残っています。

大学進学に力を入れている高校だと思ったので、「勉強が苦手な生徒がある程度の大学に行こうと思ったら、それは簡単なことではないと思うのですが」と、普段、アンが感じていることをそのまま質問すると、それに対しては、肯定する返事が返ってきました。
もし先生が、「この学校のゼミ学習で勉強すれば、どんな生徒でも難関大学に合格出来ます」と答えられたとしたら、信用出来ない気がしたと思いますが、そうではなかったので疑念が残りませんでした。
それでも、立志舎高校は普通科なので、大学進学を目指して通って来ている生徒が多く、頑張って難関大学に合格した生徒も写真入りで紹介されていたことも付け加えておきます。

立志舎高校に向いている生徒としては、不登校や学力不振であっても元気でエネルギーのある生徒、勉強は好きとは言えないけれど大学には進学したいと思っている生徒、管理されることが嫌いで自由な雰囲気の学校が合っていると思っている生徒、友達を沢山作って楽しい高校生活を送りたいと思っている生徒、私立の高校と同程度の授業料が望ましいと思っているご家庭など、には合っているかと思います。

反対に、不登校、または体調不良で毎日学校に通うだけでもハードルが高い生徒、朝起きるのが苦手な生徒、勉強がとにかく嫌いで手取り足取りで教えてもらわなければわからないと思っている生徒、人にどう思われるかを必要以上に気にしたり、ガラスのような壊れやすいハートの持ち主などは避けた方がいいかもしれません。


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不登校、学力不振の学校訪問(2)さくら国際高校 [受験・進路]

さくら国際高校
東京都渋谷区代々木1-43-8
TEL.03(3370)0718
ホームページ http://www.tokyo.sakura-kokusai.ed.jp/

学校訪問の2番目にさくら国際高校を選んだのは、特に理由はありませんが、中学の先生から名前が挙がる高校であったこと、家庭塾からは大江戸線で20分程度で行けるアクセスのよい学校だったからです。

さくら国際高校東京校は通信制サポート高校で、JR「代々木駅」西口から徒歩3分の距離にあります。
都心にあるためか、外観は学校というよりビルといった感じで、建物の廊下なども狭く、普通に思い描く高校のイメージとは趣を異にしていました。けれど、教室はやや小さいと感じられるものの机と椅子が並べられていて、クラス単位で授業が行われている様子が見てとれました。アンが訪問した日は、卒業式が午前中に終わったばかりで、生徒の姿がちらほら見られる程度でしたが、空き教室では先生と生徒が個別面談をしている姿があったり、廊下ですれ違う生徒がそれぞれにアンに挨拶してくるのを見て、礼儀を重んじる学校なのだと感じました。

同校の沿革としては、2015年より長野県上田市にあるさくら国際高校の東京校になったとのことで、わざわざ本校のある上田市までスクーリングに通わなくても、単位認定が自校で出来るようになったといいます。

通信制サポート高校としては珍しい週5日の授業で、9時半始業、担任制で、好きなことや進路に合わせてコースを選び、自分のペースで学びながら3年で卒業します。
自分のペースで学んでいくというのは、たとえば生徒の心身の具合によって、朝から登校出来なかったり、欠席する日が多くても、生徒が学校に姿を見せた時に、先生方が個別にレポート指導をしてくれたり、レポートがたまり過ぎてしまった場合でも、先生方がサポートしてくれる体制が確立されているのだと思いました。また、同校は「教育コーチング認定校」になっていて、先生方は全員コーチングの勉強をしているそうです。

校庭はありませんが、部活動は盛んで、運動系は近くに場所を借りてやっているとのことで、部活動の実績や活動報告が写真とともに廊下に数多く張り出されていました。
文科系ではダンス部が特に活発なようで、アンが訪問した日も、卒業公演をかねたラストライブの練習をするために部室に生徒がいて、ひとり一人自己紹介しながら挨拶された時には、アンの方が恐縮してしまうほどでした。

コースは4つあり、進学コース、マンガ・アニメコース、声優・タレントコース、ペット・アニマルコースです。生徒はそれぞれ自分に適したコースを選びますが、進学コースだけが進学に有利というわけではなく、例えば声優・タレントコースを選んだ生徒は、表現力が身につくので、大学のAO入試の面接では高得点が期待できるとのことでした。

パンフレットの、学園長メッセージに書かれている内容は、アンが共感できるものばかりでした。「不登校は特別のことではない」「問題なのは生徒不在の教育」「行かなくてもいいという安心」「小さな成功体験を自信につなげる」「学校は個性と個性が出会う場所」などタイトルを拾ってみただけでも、不登校や学力不振の生徒に寄り添って、経験を重ねたからこそ書ける言葉だと感じました。


入学試験推薦入試書類審査と、面接(生徒・保護者)、一般入試書類審査と、3教科(英語・数学・国語)合わせて30分の小テスト、面接(生徒・保護者)です。
推薦入試、一般入試ともに試験日は1回目の12月からから6回目の3月中旬以降まであり、面談していただいた先生によると学力試験の結果で不合格になることはないとのことでした。ただし、校則を守れないような生徒はお断りだそうです。
4月の時点では、1クラス25名程度でスタートし、途中から転入学(別の高校から転校してくる生徒)や編入学(高校を退学した生徒)の生徒も入ってくるので、卒業時までには40名程度に増えるそうです。

授業料は通信制高校とサポート校が合体した形になっているので、以前よりは30万円から40万円程度安くなったそうですが、一番費用のかからない進学コースでも初年度の納付金は100万円以上、その他に修学旅行等の積立金が毎月2万円弱必要になります。
高等学校就学支援金についても説明があり、学校を通して申請を行い、ご家庭の収入に応じて、年額で最高297,000円の助成が受けられると書いてありました。


アンの感想
(あくまでもアンの意見なので、偏った部分もあるかと思います。興味を持たれた生徒や保護者の方は、直接に学校に出向いて話を聞き、自分で確認してみてください。)


広報部・入学相談室長の奥谷先生とは2時間ほど面談していただきました。
先生に話していただいた中で、一番印象に残っているのは、先生が「この学校の生徒達はみんないい子たちです」とおっしゃっていたことです。アンも家庭塾に来る生徒たちはみなやさしくて、性格のいい子たちばかりと思っているので、奥谷先生も同じ視点で生徒のことを見ているのだということが伝わってきて、共感出来ました。

アンのブログでは、不登校、学力不振の高校選び(東京、埼玉、神奈川、栃木)で紹介した通信制サポート高校の日々輝学園高校の記事が一番アクセス数が多くて、実際にアンの生徒も2人ほどこの学校を卒業しているのですが、中学の時とは別人のように自信がついて、日々輝学園に進学して本当に良かったと言っているのですが、さくら国際高校と日々輝学園は雰囲気が似ているように思いました。
アットホームな小規模のキャンパスで、不登校や学力不振の生徒を排除するのではなく、生徒ひとり一人が自分らしく輝くために、先生方も日々、努力を惜しまないという感じが伝わってきました。
また、アンも実際にお会いしたのですが、先生方の中にこの学校の卒業生がいることも、ステキなことだと思いました。

さくら国際高校に向いている生徒は、人間関係で傷つき、人が信用出来なくなって学校に行けなくなってしまった生徒、勉強が苦手で、誰かがついていてくれれば出来るけれど、一人では勉強する気になれない生徒、自分にはいいところなどないと思っている生徒、コミュニケーション能力や表現力が弱いと思っている生徒等には合っていると思います。

勉強については、3冊を1年かけてやる子もいれば、3冊を1か月でこなしてしまう生徒もいるといったように、他人と比較せずに自分のペースで学習を進めていけばいいそうです。
アンが考える通信制サポート高校の良い点は、レポートの課題をこなすことで授業が進んでいくので、勉強が苦手な生徒でも、自分が今何を学んでいて、どのようにその課題を解かなければないかを考えるようになることだと思います。それは強制的にやらされる勉強とは違うような気がします。

アンはさくら国際高校で説明を聞くまでは、通信制サポート高校の声優やアニメ、ペット、マンガなどのコースは、高校としてはふさわしくない、高校卒業後に学ぶべきものと思っていたのですが、それは偏見だったと反省しました。
自分の好きなことを勉強して、それでいい成績が取れれば自信もつくし、その自信が他のものにも挑戦してみようという意欲にもつながっていくと思ったからです。


授業料は確かに高額だと思いますが、高校の授業についていけずに塾に通ったり、家庭教師を頼んで勉強しなければならないことを考えれば、学校内でそれが解決できるわけですから、その分の費用は浮くという考え方も可能かもしれません。


なお、大学進学については、一般入試が2割程度、残りは指定校推薦とAO入試ということでした。資料の中に同封されていた27年度合格実績の用紙には著名な大学も含まれていましたが、学校だけの勉強でなく、個別に予備校や進学塾に通っていた生徒ではないかと想像しました。
都立チャレンジ高校と同様、ある程度以上の大学に合格するためには、学校の勉強だけでは不十分だと思うからです。

なお、さくら国際高校に向かない生徒としては、経済的な問題が一番かと思いますが、やる気や能力があると自負している生徒、集団授業についていける生徒は避けたほうがいいように思います。また、厳しい環境に身を置く方が好きな生徒にも向かないと思います。


後日の話になりますが、奥谷先生のお誘いを受けて、国立オリンピックセンターの小ホールで開催されたダンス部の卒業公演を見てきました。
「人魚姫」のミュージカルから始まり、3時間余りの公演でしたが、生徒たちが持てる力を十分に発揮した熱気のある舞台で、飽きることなく見入ってしまいました。
構成や演出もメリハリがあり、生徒ひとり一人が何曲も踊り、その度ごとに衣装も変えて出てくるので新鮮でした。これだけの演目を覚えるのに、見えないところでどれだけの練習を重ねてきたのだろうと思うと、感動すら覚えました。
特に、印象に残ったのは、ダンスの上手な優秀な生徒にだけ光を当てているのではなく、裏方も含めた全員に出番が与えられ、それぞれの持ち場で生徒たちが精一杯やっているということでした。

勉強に限らず、何でもいいから、自分が好きなこと、夢中になれるものを見つけて、最初は上手くいかなくても、あきらめずにやり続けて、小さな目標でも達成出来れば、人は輝ける、未来を拓いていくことが出来ると、生徒たちを見ていて、改めて確信しました。


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不登校、学力不振の学校訪問(1) NHK学園高等学校 [受験・進路]

不登校だったり、学校の成績がオール3以下だったりすると、東京では、都立高校、または私立高校を受験することさえ難しくなっているのが、現在の高校進学事情ではないかと思います。
10数年以上前、アンが科目指導の家庭教師を始めた頃は、指導に苦慮するような深刻な学力不振の生徒でも、単願推薦でなら受け入れてくれる面倒見のよい私立学校が数は多くはありませんでしたが存在していました。
ところが、そういう学校も、5年ほど前から大学進学で実績を上げる高校へと方針を変え、勉強が極端に苦手な生徒が単願で合格出来たとしても、勉強面での苦労は中学の時よりさらに増し、家庭教師に勉強を見てもらわなければ成績が取れなかったり、卒業に至らないケースも出てくるようになってしまいました。

一般の都立高校、私立高校が不登校や学力不振の生徒にハードルが高くなっている一方で、それらの生徒を受け入れる通信制高校や通信制サポート高校は増加傾向にあり、中学校の先生方も進学先の一つとしてアドバイスするようになっています。
しかし、通信制高校はともかくとして、通信制サポート高校は授業料が割高になるので(通信制高校+サポート校の授業料が必要になるため)、家庭の経済を考えると、躊躇せざるを得ないというのも一般のサラリーマン家庭の本音ではないかと想像しています。

このような状況の中で、都立チャレンジ高校以外に、不登校や学力不振の生徒の進学先としてどのような高校があるのか、アン自身も情報を集めてみたいと思い、この3月から学校訪問をすることにしました。

これから少しずつ、ブログにアップしていこうと思っています。
まずは、NHK学園高校からスタートすることにしました。


NHK学園高校(東京本校)

NHK学園高校については、以前の記事、私立通信制高校の合同説明会ですでにご紹介してありますが、今回は、アンが直接に出かけて行って担当の先生から説明していただいたこと、2015年から東京校(東京都国立市)に登校コースが出来たので、それを中心に書いていきます。


NHK学園高校のある国立市は一橋大学や国立音楽大学などがある文教都市として知られており、JR国立駅から南に真っ直ぐに伸びる大学通りは春には桜、秋にはいちょうで美しく彩られることで有名ですが、アンが学校訪問した時はちょうど桜が満開の時期で、どこまでも続く桜並木を堪能しました。

外側から見た学校の様子、また案内していただいた校舎内の施設や設備、学校の雰囲気も一般高校と何ら変わりはありませんでした。

登校コースの内容登校日は水曜、木曜、金曜の週3日で、朝10時からのホームルームから始まり、10時半から授業(スクーリング)、2時40分からは5時までは、みんなで助け合って学習を進めたり、わからない点を先生に質問するステップアップタイムと呼ばれる時間割になっています。

NHK学園高校に限らず通信制高校はレポート提出が基本ですが、NHK学園高校の登校コースの特徴は、学びのスタイルが「反転学習」、「反転授業」になっていることです。
つまり、最初は自宅やNHK学園高校で「NHK高校講座」の番組を一人で視聴し、その上で学校に登校してサポートスクーリング(翌日のメインスクーリングの授業内容についての基礎項目を確認する)を受け、次の日にメインスクーリングを受けるというスタイルです。この方法だと、一つの単元を3回、学習することになるので、学習内容が定着するので、それが「反転学習」、「反転授業」になるということです。

放送授業は1科目について20分間で、ここ2~3年は、授業に興味を持ってもらうためにタレントの起用も多くなっているそうです。放送は1回限りですが、全教科パソコンやスマホで何度も見直したり、聞き直したりすることが出来ます。
卒業後の進路についても、1年の時から、「好きなこと」や「やりたいこと」を探し始め、卒業時までにそれを明確にするといった、細やかな進路指導がなされているようです。

なお、NHK学園高校は様々な年齢層が学べる学校として歴史のある学校ですが、登校コースに限っていえば15年度入学者は中学を卒業したばかりの10代の生徒だけとのことでした。

登校コースの入学試験推薦入試書類選考と作文、面接、一般入試書類選考と基礎学力測定(国語、数学、英語)、作文、面接です。
選抜日は推薦が1月後半、募集人員は男女 合計20名、一般が選抜日が2月中旬、募集人員は男女合計20名で、一般入試は第2回、第3回にも若干名の募集があり、3月下旬まで応募可能です。

部活については、運動系、文化系、同好会などさまざまな種類があり、校庭も広いので、部活にも入って楽しい高校生活を送りたいと思っている生徒には合っていると思います。


登校コースの場合の年間授業料は年間で60万円程度ですが、高等学校等の授業料支援として、所得に応じて「就学支援金」が支給されるので、世帯収入が910万円以下の家庭であれば、最低でも年間12万程度授業料は安くなるかと思います。


アンの感想

これまで不登校や学力不振だったけれど、出来れば普通の高校に行き楽しい高校生活を送りたいと思っている生徒、人間関係は苦手だけれど、今の自分をなりたい自分に変えていきたいと思う気持ちのある生徒、勉強は苦手だけれど出来るようにはなりたいと思っているので、そのための努力を少しずつでもしていこうと思っている生徒、授業料が一般の私立と変わらない学校が望ましいと思われるご家庭の生徒にはオススメの学校だと思います。
ただし、週に3回登校して、提出するレポートの指導が受けられるとはいえ、勉強に拒否反応を示すほど勉強嫌いの生徒や、楽をして高校の卒業資格さえ取れればいいと思っている生徒には勧められません。加えて、通学時間が1時間半以上かかる場合、体調不良の生徒も避けた方が無難かもしれません。


アンが訪問した際には、実際に使用している教科書やガイドブック、レポート課題なども見せていただきました。レポートそのものがテスト形式になっていて、それは教科書を見て解いてもいいものだし、わからない箇所は週3日の登校の際に先生に質問も出来るので難しくはないと思いました。また、レポートも点数がついて返却されるのではなく、AとかBの評価がつくだけなので気持ち的には楽だと思いました。

面談していただいた先生に、推薦入試についての学校の成績についての基準についてお尋ねしましたが、学校の成績がいい生徒が必ずしも優秀とは限らず、学校の成績だけで測れない面も多々あるので、成績が良くないという理由だけでは不合格にはしないとのことでした。面接で生徒の趣味し好や考え方、やる気を見るそうです。

面談していただいた先生は温かい感じの先生でした。この日、アンは車で行ったのですが、余裕をもって出たにもかかわらずに、道路が混んでいて、約束の時間に到着出来そうもなく、途中で電話をしたのですが、「気にしないで、慌てずにいらしてください。お待ちしていますから」と言ってくださり、電話に出られた先生が面談してくださる先生だと知って、さらにほっとしました。


「未来に向かって」という卒業生からのメッセージを集めた小冊子をいただいて帰ってきたのですが、学校になじめずに小学校1年の時から不登校だった生徒が、NHK学園高校を選んだ決め手は入学前の先生との面談だったと書いてありました。その先生が自分の知っている先生、イメージしていた先生とは違う印象で、「学校の先生」というより「人」という感じがしたということでしたが、アンが面談していた企画開発部長の野村先生にも同じものを感じました。一言でいうなら、人間的な温かさだと思います。


NHK学園高校の通学コースは、都立チャレンジ高校よりも試験を受けて合格するのは難しくない気がしましたが、先生方の力を借りながら、受け身ではなく自分で勉強しなければならない点では大変かと思いました。それが時間をかけてで出来るようになれば、人としても、学力面でも、むしろチャレンジ高校より力はつくことが予想されます。
また、カリキュラムもしっかりしているので、やる気のある生徒や、大学進学を目指す生徒には向いていると思いました。

それ以上に、アンが、NHK学園高校を学校訪問の最初の学校に選んだのは、この学校で、自分なりに能動的に学習し生活していくことが(たとえ、登校日以外の日を好きなゲームで1日費やしたとしても、やるべきことをきちんとやっていればの話ですが)、未来に向かっての大きな力になると確信しているからです。
これまでも、そしてこれからも、アンが家庭塾に通って来る生徒に望むこともただ一つ、能動的であること――やる前から無理だと言ってあきらめたり、面倒くさがったりしないで、目の前のやるべきことをていねいにきちんとやっていく姿勢です。

アンもそのために力を尽くしたいと思っていますが、ここで都立チャレンジ高校の受験について触れさせていただくなら、合格するためには声の大きさにも表れる生徒本人のやる気、能力、面接の際の面接官との相性など、最終的には生徒に帰する部分が大きいかと思っています。
お母さんや、お父さん、アンがいくら一生懸命になっても、試験を受けるのは生徒本人、勉強するのも本人であることを出来るだけ早い時期から自覚することが必要です。


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