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不登校、学力不振の学校訪問(3) 立志舎高校 [受験・進路]

立志舎高校
東京都墨田区大平2-9-6
TEL 03-5608-1033
ホームページ http://www.risshisha.ed.jp

立志舎高校はJR総武線の錦糸町から徒歩5分ほどの場所にあります。
私立の新設高校として、東京では11年振りに誕生した学校とのことですが、通信制の形をとっているのは、単に校庭が東京都の基準より狭かっただけの話で、外から見た感じも、校舎内も普通の高校と何ら変わりはありませんでした。

アンが立志舎高校を訪れた理由は、都立チャレンジ高校を受験する生徒の併願校、または不合格になった場合の進学先として勧められる高校だと思ったからです。というのは、家庭塾に通って来る生徒は、不登校や学力不振で、元気がなくなっていたり、勉強が苦手だったり自信がなかったりしますが、家庭塾には休まずに通って来て、やる気はイマイチでも最終的には頑張る力を持っている生徒がほとんどなので、出来れば普通の高校でやっていってほしいという気持ちがアンになるからです。
また、立志舎高校の特徴であるゼミ学習なら、勉強が苦手な生徒でも抵抗なく学習でき、勉強にも興味が持てるようになるのではないかと考えました。

ゼミ学習というのは、①全員が黒板に向かって先生の話を一方的に聞くだけの受け身の授業ではなく、机を向かい合わせにして6~8人ずつのグループを作って授業を受ける。②授業が始まると、まず先生が要点や解き方を説明する。③次に演習問題を自分で解いて、わからないところや、疑問に思ったところを友達に質問したり、自分の考えも述べたりして、グループ内で協力しあって学習する。④それでもわからない問題は、グループの全員がわかるまで、先生の説明を聞いて理解する。
という順序で学習が進んでいくスタイルのことです。

「ゼミ学習の長所」として、主なものを挙げてみると、①一方通行の講義と違い、先生に質問しやすい。②明るく楽しく学べる。③友達ができる。④ゼミ学習は表現力がつき、受験面接などに有利。⑤眠くならない。
など等ですが、立志舎高校を志望した生徒も、在校生もこのゼミ学習には魅力を感じているようです。

立志舎高校は勉強が苦手な生徒が多いとのことでしたが、勉強が苦手でも出来るようになりたい、わかるようになりたいとは思っているはずなので、わからない点をそのままにしないで、授業中に友達に聞けたり、先生に質問して解決来るのはいいことだと思いました。

ホームページや学校案内のパンフレットを見てもわかりますが、面談していただいた先生によると、元気のいい生徒が多いとのことでした。

クラブ活動も非常に盛んで、体育系クラブは全て、定時制や通信制高校ではなく、全日制高校の大会に出場しているそうです。
また、行事やイベントなども活発で、先生、生徒ともに生き生きと楽しんでやっている様子が写真からも伝わってきました。

入学試験は、立志舎高校を第一志望とするA推薦は、書類審査と面接、一般入試と併願は書類審査と、作文、面接で、主として学習意欲の有無を確かめるそうです。
試験日は推薦入試と併願入試は1月、一般入試は2月から3月中旬まで何回かに分けて実施しているようです。

授業料は、初年度は入学金を含めて、700,000円程度です。就学支援金の支給を入れると、10万円程度軽減されるのではないかと思います。
なお、立志舎高校には全日制のほかに、週に1度土曜日に通う通信制もあり、平日コースと土曜コースで行き来も出来るといいます。

平日コースの授業は9時半から4時までの6時間授業ですが、進学クラスや特進クラスは授業時間が長くなり、特進クラスを希望すると、午後7時まで、土曜日も授業があります。


アンの感想

(あくまでもアンの意見なので、偏った点があるかと思います。興味を持たれた生徒や保護者の方は、実際に学校に足を運んで、自分の目や耳で確かめてみてください。)、
不登校や学力不振の生徒を受け入れている立志舎高校の魅力は、一般の生徒が思い描く、朝から学校に行って勉強し、クラブ活動にも参加して、友達も作って楽しい高校生活が出来るということだと思います。
通常だと、不登校や学力不振だと内申点が基準に達しないために、私立の高校に入学することは断念しなければならないか、または単願入試で何とか入学出来たにしても、入ってからの勉強についていくのが大変だと予想されます。けれど、立志舎高校は入学前の成績より、入学後の生徒の頑張りに期待するというスタンスが感じらました。

ゼミ学習は、勉強が苦手な生徒でも、わかれば楽しくなるとの考え方から、どうしたら楽しく勉強してもらえるかを模索し続けて辿り着いた、学習スタイルだという気がします。
また、人間関係が苦手な生徒もグループ学習ならしぜんに友達と話すようになるので、それもメリットだと思います。
ただ、それが生徒同士の単なるおっしゃべりになってしまっては意味がないので、そこは先生方も心に留めておられるようでした。

面談していただいた山崎先生によると、校則は緩やかで自由な部分が多いけれど、1年間で75パーセントの出席、遅刻はしないなど最低限のルールは守ってもらうとのことでした。その部分は、通信制サポート高校ではなく全日制なので、当然のこととアンも思いました。
特進クラスを希望すると、午後7時まで授業があり、指導する先生方はさらに学校に長くいることが求められると思ったので、アンが思わず「大変ですね」と口にすると、「朝が遅いので、問題ありません」と、さらりと返答されました。何の気負いもない感じで、それが印象に残っています。

大学進学に力を入れている高校だと思ったので、「勉強が苦手な生徒がある程度の大学に行こうと思ったら、それは簡単なことではないと思うのですが」と、普段、アンが感じていることをそのまま質問すると、それに対しては、肯定する返事が返ってきました。
もし先生が、「この学校のゼミ学習で勉強すれば、どんな生徒でも難関大学に合格出来ます」と答えられたとしたら、信用出来ない気がしたと思いますが、そうではなかったので疑念が残りませんでした。
それでも、立志舎高校は普通科なので、大学進学を目指して通って来ている生徒が多く、頑張って難関大学に合格した生徒も写真入りで紹介されていたことも付け加えておきます。

立志舎高校に向いている生徒としては、不登校や学力不振であっても元気でエネルギーのある生徒、勉強は好きとは言えないけれど大学には進学したいと思っている生徒、管理されることが嫌いで自由な雰囲気の学校が合っていると思っている生徒、友達を沢山作って楽しい高校生活を送りたいと思っている生徒、私立の高校と同程度の授業料が望ましいと思っているご家庭など、には合っているかと思います。

反対に、不登校、または体調不良で毎日学校に通うだけでもハードルが高い生徒、朝起きるのが苦手な生徒、勉強がとにかく嫌いで手取り足取りで教えてもらわなければわからないと思っている生徒、人にどう思われるかを必要以上に気にしたり、ガラスのような壊れやすいハートの持ち主などは避けた方がいいかもしれません。


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