家庭塾が必要な生徒 [アンおばさんの教育ミニコラム]
端的に言ってしまえば家庭塾が必要な生徒とは、「やれば出来るのにやらない生徒」と「やってはいるけど出来るようにならない生徒」だと思っています。
「やれば出来るのに」と親や先生から思われている生徒は、結局はやらないままになってしまうことが多いので、出来るようにはなっていきません。
「やってはいるけれど出来るようにならない生徒」も、努力はしていてもなかなか出来るようにはなりません。
どちらの生徒も、家庭塾に合う生徒だと思います。
「やれば出来るのにやらない生徒」は、これまでも懸命に勉強したことがないので、「やる」ということがどういうことかわかっていません。
受験生であれば、1日に30分や1時間勉強したからといって、それを「やった」と思うには大間違いです。
少なくても3時間くらいはやったほうがいいです。
けれど、これまでにそれだけ勉強した経験がないので、何をどう勉強したらいいかもわからないはずです。
だから、何をやるかをアドバイスしたり、きちんとやったかどうかをチェックしてくれる個別の先生が必要になります。
「やってはいるけど出来るようにならない生徒」は、記憶力が悪かったり、勉強のやり方がわからなかったり、うまくポイントがつかめないことが原因だと考えられます。
アンの生徒ではありませんが、以前、知り合いの家庭教師の先生から、中学受験の生徒で、「こんなにやっているのに出来るようにならないのは、頭が悪いから。だから、私は人の何倍も努力しなければだめなのだ」と思って、必死に勉強する生徒の話を聞いたことがあります。
その生徒を担当していた別の家庭教師の先生は陰で、「彼女は愚鈍だから」と言っていたそうですが、家庭教師の先生方の課題をきちんとこなし、志望していた私立の中学受験に合格して、今は医大で医師を目指して、相変わらずの努力を続けているそうです。
彼女の父親が患者を本当に大事にする開業医で、彼女も父親のような医師になりたいとのことでした。
もちろん、「やればやるだけ出来るようになる生徒」もいます。
偏差値の高い大学に合格する生徒の中には、このタイプの生徒も含まれるでしょう。
それでも、私は「やってもやっても出来るようにならないから、私は努力するしか能がない」と思って、懸命に勉強する生徒に心が惹かれます。
医師を目指して努力し続ける上記の大学生は、能力のない悲しさや悔しさを知っているので、将来は患者の気持ちに寄り添える立派な医師になれると確信できるからです。
優秀なことが、必ずしもいいことではないと、アンは思っています。