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一人では勉強出来ない [受験]

最近の記事に「家庭塾が必要な生徒」を書き、「やる気がない生徒」と「やっても出来ない生徒」に触れましたが、それ以上に「一人では勉強出来ない生徒」こそ、家庭塾が必要な生徒だと、現在、大学受験の生徒と接していて改めて思いました。

ここのところ途切れていますが、アンが15年以上中心にやってきたのは都立チャレンジ高校の受験生の志願申告書の作成や作文、面接の練習でした。
生徒は「一人では作文が書けない」という理由でアンのところに来るのですが、作文が苦手というより、自宅でこれまで一人で集中して勉強する習慣がなかったことも大いに関係していると思っています。

思い出すのは、昨年まで4年間も、横浜から東京のアンの家庭塾まで2時間以上かけて通ってきていたS子ちゃんのことです。
S子ちゃんが通っていた大学付属の中学、高校は暗記が中心の学校で、それが極端に苦手なS子ちゃんは、自宅付近の塾や、何人かついた家庭教師の先生もお手上げ状態で、アンが引き受けてもしばらくはどうしたものかと指導に悩むほどでした。
けれど、少しずつですが、出した宿題は必ずやってくるようになって、10時から、昼食もはさんで3時位まで、出来ない箇所や、理解していない項目をチェックすることに時間を費やしていました。
間にはかなりの雑談も入れましたが、感心なことに、S子ちゃんが長時間の授業に根を上げることはありませんでした。
そしてその間に、S子ちゃんは学習習慣が身につき、家庭塾をやめて通い出した地元の塾でも頑張って、大学には合格したものの、第一志望の大学ではなかったために浪人することを選びました。
S子ちゃんの頑張っている姿をご両親も認めたからこそ、浪人することを許したのだと思います。
ひと月ほど前にS子ちゃんにラインをしたら、必死で受験勉強に励んでいる様子が伝わってきました。
S子ちゃんの第一志望は超難関大学ですが、S子ちゃんは偏差値が高いからその大学に行きたいのではなく、どうしてもその大学の○○学部で勉強したいから選んだのです。
来年の入試でS子ちゃんが志望大学に合格出来るかどうかわかりませんが、それには関係なく、S子ちゃんの未来は明るいと思っています。
やる気と根性が身についているからです。

一方、現在通って来ているF子ちゃんには、やる気も根性もありません。
もともと、やる気というのは人がみな持っているものではなく、「やっているうちにやる気が出てくるもの」だと思うのです。 少なくとも家庭塾に来る生徒はみなそうです。

F子ちゃんは、受験間近のこの時期になってもまだやる気が出ていません。 むしろやる気を失っています。
一番の問題は睡眠です。
勉強しているわけでもないのに真夜中、あるいは朝方まで起きているので、アンの家庭塾にも午後まで寝ているので、2時間ほど遅刻するのはいつものことです。
ここ2週間ばかり、それを改善しなければならないと思い、夜早く寝るようにして、午前中に家庭塾に来てもらうようにしました。
一人で家で勉強できないのなら、上記のS子ちゃんと同じように、長時間、アンと一緒に勉強することでしか、受験に臨めないと思ったからです。
ところが、午前中に来ても、眠くてたまらないらしく、家庭塾でも起きていられず寝てしまって、どうにもなりませんでした。

F子ちゃんは去年、お母さんを亡くしています。 いくら寝ても眠いのも、よく泣くのも、精神的なものかもしれません。 だとしたら叱っても効果はないと思うので、アン自身がF子ちゃんのことをあきらめないで、受験の日まで伴走していくしかないと思っています。
多分、一番つらいのはF子ちゃん自身で、アン自身の根気も問われています。



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