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15年後の変化 [生徒]

15年以上、付き合っている女性(彼女は自分のことをカタカナでセイトと言っています)が最近頻繁に通ってきています。【彼女の前回の記事は「先生は味方ですよね」でした】(
派遣で工場の仕事をしていて、仕事が途切れると、アンのところにやって来ます。
昨日も来たのですが、話のメインはやはり中学時代の友だちの話でした。

当時、クラスで仲間外れになっていた彼女にやさしく接してくれたクラスメートが2,3人いて(来るたびに、また彼女の手紙にも何度も同じ友だちの名前が出てくるので、アンも覚えてしまっているのですが)、その友だちと会って話をしたいというのが、長年の彼女の願いです。

手紙も頻繁に出していて、たまたま相手が電話に出たときに、「会いたい」と言ったら、彼女も「そうだね。そのうち会いましょう」と言ってくれたらしいのですが、それはずっと実現しないままだと言います。

中学を卒業して30年も経つのに、仲のよかった友だちならともかくとして、中学のいじめの経験から抜け出せずに、「あの時なぜ、クラスのみんなは私をのけ者にしたのか」がどうしても納得出来ずに、それを問い正したい彼女に対して、友だちが本心から「会う」と言ったのかは疑問だと思いました。

みんなそれぞれ現在の生活に精一杯だと思いますし、私が全く仲がよくなかった友だちに突然「会いたい」と言われたとしても、「今さらどうして」と不審に思い、断ると思うのです。
けれど、彼女は友だちが「会いましょう」と言った言葉をそのまま信じています。

私がずっと以前にシナリオの勉強をしている時に、「言葉はうそつき」と教わりました。
社交辞令というのもあるし、人はなかなか本心を言わないし、相手にとって都合が悪いことは言わないと思います。
悪く思われたくないからです。

昨日、彼女に初めて、「どうして私のところに15年以上も通ってきているの。私のどこがいいの」と尋ねたら、「信用出来るから。うそは言わないから」とのことでした。
言われてみれば、アンはお世辞は言わないし、彼女にとって都合が悪いことも言ってきました。
アンは自分にとって都合がいいことを言う人は信じないほうがいいと思っています。

タイトルの内容が一番最後になってしまいましたが、彼女の変化とは、これまで彼女が私に送って来ていた何十通かの手紙を持ち帰ったことです。(ごく一部ですが)
それも私に言われたからではなく、自分からそうしたのです。

私は「最初から今までずっと同じことを書いてきているわよ。自分で読み返して、振り返ってみたら」と言いました。
過去のことではなく、未来に目を向けてほしいとはずっと思っているのですが、もう何年も前からそれを言うのはやめました。
アンが何を言おうと、自分がそう思わない限り、彼女が変わっていくことは出来ないと思うからです。それでも、手紙を持ち帰ったのは大きな変化です。

彼女は行動力はあるので、気持ちが変われば、さらに前に向かって行けるのではないかと思います。
これからも彼女の意思を尊重しながら、付き合っていきたいと思っています。

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