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一人では勉強出来ない [受験]

最近の記事に「家庭塾が必要な生徒」を書き、「やる気がない生徒」と「やっても出来ない生徒」に触れましたが、それ以上に「一人では勉強出来ない生徒」こそ、家庭塾が必要な生徒だと、現在、大学受験の生徒と接していて改めて思いました。

ここのところ途切れていますが、アンが15年以上中心にやってきたのは都立チャレンジ高校の受験生の志願申告書の作成や作文、面接の練習でした。
生徒は「一人では作文が書けない」という理由でアンのところに来るのですが、作文が苦手というより、自宅でこれまで一人で集中して勉強する習慣がなかったことも大いに関係していると思っています。

思い出すのは、昨年まで4年間も、横浜から東京のアンの家庭塾まで2時間以上かけて通ってきていたS子ちゃんのことです。
S子ちゃんが通っていた大学付属の中学、高校は暗記が中心の学校で、それが極端に苦手なS子ちゃんは、自宅付近の塾や、何人かついた家庭教師の先生もお手上げ状態で、アンが引き受けてもしばらくはどうしたものかと指導に悩むほどでした。
けれど、少しずつですが、出した宿題は必ずやってくるようになって、10時から、昼食もはさんで3時位まで、出来ない箇所や、理解していない項目をチェックすることに時間を費やしていました。
間にはかなりの雑談も入れましたが、感心なことに、S子ちゃんが長時間の授業に根を上げることはありませんでした。
そしてその間に、S子ちゃんは学習習慣が身につき、家庭塾をやめて通い出した地元の塾でも頑張って、大学には合格したものの、第一志望の大学ではなかったために浪人することを選びました。
S子ちゃんの頑張っている姿をご両親も認めたからこそ、浪人することを許したのだと思います。
ひと月ほど前にS子ちゃんにラインをしたら、必死で受験勉強に励んでいる様子が伝わってきました。
S子ちゃんの第一志望は超難関大学ですが、S子ちゃんは偏差値が高いからその大学に行きたいのではなく、どうしてもその大学の○○学部で勉強したいから選んだのです。
来年の入試でS子ちゃんが志望大学に合格出来るかどうかわかりませんが、それには関係なく、S子ちゃんの未来は明るいと思っています。
やる気と根性が身についているからです。

一方、現在通って来ているF子ちゃんには、やる気も根性もありません。
もともと、やる気というのは人がみな持っているものではなく、「やっているうちにやる気が出てくるもの」だと思うのです。 少なくとも家庭塾に来る生徒はみなそうです。

F子ちゃんは、受験間近のこの時期になってもまだやる気が出ていません。 むしろやる気を失っています。
一番の問題は睡眠です。
勉強しているわけでもないのに真夜中、あるいは朝方まで起きているので、アンの家庭塾にも午後まで寝ているので、2時間ほど遅刻するのはいつものことです。
ここ2週間ばかり、それを改善しなければならないと思い、夜早く寝るようにして、午前中に家庭塾に来てもらうようにしました。
一人で家で勉強できないのなら、上記のS子ちゃんと同じように、長時間、アンと一緒に勉強することでしか、受験に臨めないと思ったからです。
ところが、午前中に来ても、眠くてたまらないらしく、家庭塾でも起きていられず寝てしまって、どうにもなりませんでした。

F子ちゃんは去年、お母さんを亡くしています。 いくら寝ても眠いのも、よく泣くのも、精神的なものかもしれません。 だとしたら叱っても効果はないと思うので、アン自身がF子ちゃんのことをあきらめないで、受験の日まで伴走していくしかないと思っています。
多分、一番つらいのはF子ちゃん自身で、アン自身の根気も問われています。



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チャレンジ高校から初の英検2級合格 [受験]

10月に実施された英検で、チャレンジ高校の受験からこれまでずっと通って来ているF子ちゃんが英検2級に合格しました。
F子ちゃんは「2021年 都立チャレンジ高校受験を振り返って」で記事にした生徒です。

チャレンジ高校に合格してから、高校生になっても精神面のサポートや英語の勉強を兼ねて通って来る生徒はこれまでもいましたが、チャレンジ高校から英検2級に合格した生徒はF子ちゃんが初めてです。
英検2級には高校卒業程度の学力が必要で、難関高校はともかくとして、普通の高校に通っている生徒でも楽に取得できる級でもないので、F子ちゃんは頑張ったと思います。

なぜなら、F子ちゃんは中学の時はほとんど不登校で、中学で学習する範囲はやっていないに等しかったからです。
高校の授業も中学の復習から始めますが、アンのところにも週に1回通って来て、中学の復習からやりました。
準2級までは順調に進んでいきましたが、英検2級は前回の試験では不合格でした。

英検については、過去問を使って、単語、文法、長文問題、英作文などを宿題に出して、それをやってもらいました。
英検2級を取得していると、大学の一般入試でそれが加点されて有利に作用する大学もあるので、今回は合格することが必須だと思っていました。
これまでの勉強量が圧倒的に少ないので、英検については作戦を立て、苦手な語彙にはあまり時間をかけずに読解問題と英作文で点を取るようにしました。
リスニングも苦手だったのですが、とにかく慣れるしかないので、聞く前にあらかじめ英文を読んで理解して、聞き取れそうもない単語はマークしておいて、それからリスニング問題を解きました。

大学の一般入試まで約2か月、現在のところF子ちゃんは頑張っているとはとても言えない状況です。志望大学の過去問も宿題に出しているのですが、やってきた試しがありません。
大手の映像塾も8月からほとんど行けなくなっていて、気持ちばかりが焦って、間に合わないと不安ばかりが募り、眠れない状態が続いています。
本人もご家庭も浪人も視野に入れているようですが、今やる気がないのに、浪人したからといってやる気が出るとは思えません。
押したり引いたりしながら、F子ちゃんの受験に向けて、アンも苦戦中です。
頭の能力より、やる気の能力が必要だと痛感しています。


家庭塾が必要な生徒 [アンおばさんの教育ミニコラム]


端的に言ってしまえば家庭塾が必要な生徒とは、「やれば出来るのにやらない生徒」と「やってはいるけど出来るようにならない生徒」だと思っています。

「やれば出来るのに」と親や先生から思われている生徒は、結局はやらないままになってしまうことが多いので、出来るようにはなっていきません。
「やってはいるけれど出来るようにならない生徒」も、努力はしていてもなかなか出来るようにはなりません。
どちらの生徒も、家庭塾に合う生徒だと思います。

「やれば出来るのにやらない生徒」は、これまでも懸命に勉強したことがないので、「やる」ということがどういうことかわかっていません。
受験生であれば、1日に30分や1時間勉強したからといって、それを「やった」と思うには大間違いです。
少なくても3時間くらいはやったほうがいいです。
けれど、これまでにそれだけ勉強した経験がないので、何をどう勉強したらいいかもわからないはずです。
だから、何をやるかをアドバイスしたり、きちんとやったかどうかをチェックしてくれる個別の先生が必要になります。

「やってはいるけど出来るようにならない生徒」は、記憶力が悪かったり、勉強のやり方がわからなかったり、うまくポイントがつかめないことが原因だと考えられます。

アンの生徒ではありませんが、以前、知り合いの家庭教師の先生から、中学受験の生徒で、「こんなにやっているのに出来るようにならないのは、頭が悪いから。だから、私は人の何倍も努力しなければだめなのだ」と思って、必死に勉強する生徒の話を聞いたことがあります。
その生徒を担当していた別の家庭教師の先生は陰で、「彼女は愚鈍だから」と言っていたそうですが、家庭教師の先生方の課題をきちんとこなし、志望していた私立の中学受験に合格して、今は医大で医師を目指して、相変わらずの努力を続けているそうです。
彼女の父親が患者を本当に大事にする開業医で、彼女も父親のような医師になりたいとのことでした。

もちろん、「やればやるだけ出来るようになる生徒」もいます。
偏差値の高い大学に合格する生徒の中には、このタイプの生徒も含まれるでしょう。

それでも、私は「やってもやっても出来るようにならないから、私は努力するしか能がない」と思って、懸命に勉強する生徒に心が惹かれます。
医師を目指して努力し続ける上記の大学生は、能力のない悲しさや悔しさを知っているので、将来は患者の気持ちに寄り添える立派な医師になれると確信できるからです。
優秀なことが、必ずしもいいことではないと、アンは思っています。


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教育虐待が子どもの未来を奪う [アンおばさんの教育ミニコラム]

朝日新聞の10月初旬の記事に、「教育虐待 子を圧迫」という記事がありました。
「佐賀県で起きた元九州大生の長男(19)の両親殺害事件に触れ、小学校低学年から、勉強や成績をめぐり、父親の虐待行為が始まり、殴られ、けられるなどして、あざができることもあった。長男は、裁判員裁判で、懲役24年の判決を受けたが、弁護人は控訴している」
この事件のように、受験などの指導が「教育虐待」を生み、事件に発展するケースが後を絶たないといいます。

アンの「家庭塾」は、不登校や学力不振を対象にしている塾なので、「教育虐待」をする親はいませんが、それでも「名の知れた大学、偏差値の高い大学に入らなければ意味はない」、「三流大学に入ったら人生は終わりだ」と考えている親や生徒がいないわけではありません。

私が一番心が痛むのは、友人の家庭教師から度々話が出る、教育虐待を受けて育った子が、希望の大学に入れずに、その後、合格した1ランク下の大学にも行かず、就職もしないで何年も家に引きこもっているケースです。

彼らはみな怠けていたわけではありません。ただ、親の期待に応えられなかったり、勉強のできる兄弟や姉妹と絶えず比べられたりして、自己肯定感が持てなくなり、「自分はだめな人間だ」と思い込んでしまっているだけです。
アンも友人に頼まれて、数人の若者と会っていますが、それぞれ真面目な好青年という感じで、なぜそんなに自分を卑下する必要があるのかと思ってしまいます。

新聞記事もそうでしたが、なぜ親は、勉強が出来ること、難関大学に入ることが最も価値のあることだと考えるのでしょうか?
友人の家庭教師の話では、医師の家庭、父親が上場企業に勤めている家庭が多く、一般的には社会的ステータスの高い家庭だということですが、子どもを教育虐待しておいて、その家庭は幸せなのかと思ってしまいます。
裕福だったり、世間的に高く評価されていることが幸せだと考えているのかもしれません。
さらに言えば、幸せとは条件ではなく、それを感じる心だと思うのですが、そういったことには興味がないか、考えてもないのかもしれないとも思います。

過去に教育虐待をしていて、自分が悪かったのかもしれないと反省している親もいて、引きこもりになったわが子を責めずに、見守ろうと思っているケースも、もちろん、あります。。
けれど、その場合も、内心ではわが子を認められずに、不甲斐ないと思っているのではないでしょうか?
それでは、どんなに子どもに寄り添った言葉や態度で示しても、感受性の豊かな若者であれば容易に見抜かれてしまうでしょう。

不登校の生徒にしても、引きこもりの若者にしても、心やさしくて、本人は気づいていないかもしれませんが、まだ表に出ていない優れた能力や、人として見た場合に性格もいいので、「自分史」を書いて自分を肯定できるようになって、少しでも前に進んでくれたらと願っています。



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不登校2割増、最多29万人 [アンおばさんの教育ミニコラム]



文部科学省が実施する「児童生徒の問題行動・不登校調査によると、2022年度の不登校の小中学生は過去最大の29万9千人で、前年度日22.1%の大幅な増加とのことでした。朝日新聞に掲載されていた記事では、大阪公立大学の山根則子教授が「コロナ禍による家庭の経済不安などが子どもにストレスを与える状況が続き、不登校という形で強く表れたのではないか、と分析していました。

その一方で、都内は空前の建築ラッシュということで、7000万円~1億円もする一戸建てやマンションが飛ぶように売れているそうです。
けれど、ごく一部の富裕層を除けば、アンも含めて、一般の庶民は日常の生活で、あれもこれもという感じで物価高を身近に感じ、それと比例して給料も上がらないことから、家計を維持するのに四苦八苦しているのが現状ではないでしょうか。
共働き家庭も多く、そうなると夫婦ともに忙しく、気持ちにも余裕がなくなって、イライラすることが多くなり、わが子とゆっくり会話する時間もなくなり、子どもも学校で何か問題があっても、それを親に言ったとしても、じっくり聞いてもらえず、「言っても無駄」とあきらめてしまうことが多いのではないかと思います。

多かれ少なかれ、この社会で親も子もストレスを感じながら暮らしているので、同じような思いを感じている子どもたちが通う学校では、そんな思いを共有することは不可能で、学校が楽しい場所ではなくなっていることも想像できます。

今は以前ほど、不登校を問題視する傾向も少なくなり、子どもが学校に行かなくなったからといって、親が必要以上に子どもを責めて、学校に行くことを強制したり、または自分の子育てが悪かったのだと思う必要はないと思っています。
言ってしまえば、人に対する優しさや温かさが欠如してしまったこの社会に問題があると思っています。
そうかと言って、形の見えない社会を責めてもはじまりません。

現在、私が時々話をしていた小学3年生の女の子は10月から、給食だけ食べに学校に行くようになりました。
行き始める前よりも、「学校がこわくなくなった」と話しています。
家の外でも友だちと遊べるようになったそうです。

今回の調査でアンが気になったのは、小・中学生の4割が学校内外の専門機関に相談していなかったという事実です。
アンの家庭塾にも始めた当初は断わらざるを得ないくらい不登校の生徒が来ていたのに、最近はそれが途絶えています。
親が子どもを強制的に学校へ行かせようとせずに、「時期がくれば行くようになるだろう」と子どもを信じて、おおらかな気持ちで待っていれば、そういう日も来るかと思います。
けれど、目の前に学校に行かないわが子がいれば、冷静に対応することも難しいでしょう。

アンはやはり、家族以外の誰か、信頼できそうな人――優しい人より、温かい感じのする人――に相談に乗ってもらうのがいいように思います。
アンが信頼できるかどうかは、ブログを読んでくださる方に判断してもらうしかありませんが、保護者も生徒も勇気を出して、一歩踏み出してもらえればと思います。


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都立チャレンジ高校の学校説明会 [受験・進路]

令和6年の受験に向けて、都立チャレンジ高校の学校説明会が10月から始まります。
不登校、学力不振でチャレンジ高校への進学を考えている中2・中3の生徒は、この機会に高校に行き、学校の雰囲気や説明してくれる先生、お手伝いの在校生を見て、自分に合った高校かどうかを判断するとよいと思います。
特に、不登校の生徒は、学校説明会や文化祭、体験授業、授業公開その他に行くことで、高校に進学したいという気持ちが生まれ、前に進む一歩になるはずです。

願書とともに提出する「志願申告書」には、その高校を志望する理由を書く欄があるので、学校案内のパンフレッドを書き写すだけでなく、自分の目で見て感じたことを書くことが求められます。
なお、文化祭に行くことが、それぞれのチャレンジ高校の良さや雰囲気がわかるので、一番いいと思うのですが、1校を除きまだ公開されていませんでした。
また、学校説明会その他は事前申し込みが必要な場合もあるので注意が必要です。

ネットで調べて分かった情報だけ下記に記します。

六本木高校(港区)[電話]03(5411)7327 学校説明会*10月21日(土)、12月2日(土)、1月3日(土) 体験授業*11月11日(土)

大江戸高校(江東区)[電話]03(5606)9500 学校説明会*10月1日(土)、10月22日(日)、11月11日(土) 授業公開*11月13日~11月17日(金)、1月15日~1月9日(金)

稔ヶ丘高校(中野区)[電話]03(3 970)8655 学校説明会*10月1日(日)――9/15~24日受付、11月11日(土)、 12月9日(土)、1月13日(土)

桐ヶ丘高校(北区)[電話]03(3906)2173 
まだ掲載されていませんでした。

世田谷泉高校(世田谷区)[電話]03(3300)6131 文化祭*10月27日(金)入学志望者・保護者のみ、10月28日(土) 学校説明会*11月11日(土)、12月9日(土)、1月20日(土) 体験入学*11月11日(土)――申し込み 9/1(金)~9/29(金)

小台橋高校(足立区)[電話]03(3913)1111 学校説明会*10月1日(日)、11月9日(日)、12月10日(日)、1月7日(日)        申し込み 9/1(金)~9/22(金)、10/13(金)~10/14(土) 授業公開(11月下旬)

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不登校の生徒には居場所が必要 [アンおばさんの教育ミニコラム]


夏休みも残りわずか、不登校の生徒とその保護者にとっては気が重い時期になるかと思います。
子ども自身も、「2学期からは学校に行こう」と考えていたり、わが子にそう言われれば淡い期待を抱くこともあるかもしれません。

先週、NHKの朝の番組で「不登校」を取り上げていましたが、その中で、「いじめ」や「友だちとの関係」、「担任の先生が嫌い」「勉強についていけない」など、はっきりした理由もないのに、学校に行けないケースを紹介していました。

実はここ1年ばかり、小学3年生の不登校の生徒とラインのビデオ電話で週に1度ほど話をしています。
学校に行けなくなってから、1年余りになりますが、保護者も学校の先生も、学校に行くことを強くは勧めていません。

どうして学校に行きたくないかアンも尋ねたことがありますが、まだ3年生ということもあり、その理由を説明する言葉はもっていません。
アンも彼女を学校に通わせるために話をしているわけではありませんが、家にいることが当たり前になってしまって、この先もずっと学校に行かないのはよくないと思っています。
そこで試しに、「学校に行くのがいやなら、4年生になっても、5年生になっても、中学に行くようになってもずっと行かないことにしよう」と提案してみました。
すると、彼女は「それは人間としてよくないでしょう」と、大人びた返事をしました。
よくわかっているし、学校へ行けるものなら行きたいと思っていると想像できます。

彼女がなぜ不登校になったかというと、「特に理由はない」という上記のケースだと思われます。
学校には行っていませんが、同じマンションに住む同級生とはよく遊んでいます。

「特に理由がない」ということについては、これはアンの想像になりますが、同じ年齢の友だちに話を合わせなければならないのが苦痛に感じられるのではないでしょうか。

かなり以前になりますが、チャレンジ高校を2年でやめてカナダに留学した生徒がいます。その彼が、留学する前の夏休みに、1カ月間、カナダの学校の体験学習に参加したことがありました。
その時に、みんなで昼食を食べに行くことになり、木の下で一人で本を読んでいた生徒を誘ったといいます。
その時に、その生徒は「この本を読んでいたいから、行かない」と断ったそうです。
すると、誘った生徒たちは「じゃあ、またね」と言って、彼の気持ちを尊重したと言います。日本だったら、こんなことはあり得ないとアンの生徒は言っていました。

また、授業中も一つのテーマに対して、いろいろな意見が飛び交い、それが刺激的でおもしろかったといいます。

友だちと自分の考え方や感性が合わないのは当然のことなのに、学校では空気を読んで、友だちに合わせ、自分の気持ちや意見を言えないことが今の学校のような気がします。
それは自分の意見をもっていたり、感受性の豊かな生徒にとっては、居心地の悪い、楽しくない学校になってしまうのではないでしょうか。
もっとも、学校がつまらない場所でも、自分の気持ちに蓋をして友だちに付き合わなければならない場所であったとしても、それを我慢して通っている生徒も数多くいるとは思います。
「わがままだ」と決めつけることもできるでしょう。

けれど、タイトルに書いたように、不登校の生徒にとっては学校以外の「居場所」が必要だと思います。
NHKの番組では、小学校から不登校だった生徒は高校から通信制高校に通うようになり、もう1人はフリースクールに通うようになって、そこに自分の居場所を見つけたようです。

自分に合った居場所は探せば見つかると思います。
不登校の生徒、保護者の方も、勇気を出して前に進んでほしいと思います。

私事になりますが、去年、亡くなった息子は不登校ではありませんでしたが、小学校では浮いた存在で、先生や友だちから認められずに、自己肯定感も低かったのですが、中学1年の時に、長野に山村留学(通称、ダイダラボッチ)に行き、そこで出会ったスタッフや子どもたちとの交流を通して、未来への展望を拓くことが出来ました。
彼にとってはそこで過ごした1年間が、後々まで、亡くなる間際まで大きな財産になっていたと思います。



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不登校、学力不振の公立高校の進学先 [受験・進路]

不登校、学力不振の公立高校の進学先として考えられるのは、都立チャレンジ高校とエンカレッジスクールだと思います。

アンの認識としてはチャレンジ高校は、受験については内申書がいらない(中学の成績や出席日数が問われない)、学力考査はなく事前に書いて提出する志願申告書2枚(①入学を希望する理由、②将来の夢・希望、③高校生活への抱負 Ⅰ教科の学習、Ⅱ教科以外での活動、⓸自己PRの4項目で1200字~1500、1600字程度)、試験内容は600字程度の作文と面接です。

授業は中学の復習から始め、学年が進んでも中身は殆どの生徒がついていけるものです。
成績が良くなくても、出席率が極端に悪くなければ、普通程度の成績は取れます。
重視されるのは何と言っても出席率です。

不登校だった生徒が通いやすいように、午前部、午後部、夜間部があり、希望する部の授業を受けることができます。午前部は比較的元気な生徒、午後部や夜間部は不登校だった生徒に合っているようです。
雰囲気については学校説明会や文化祭に行って、生徒本人に合いそうな高校を直観で選ぶのがよいかと思います。

エンカレッジスクールは、受験については内申書(調査書点、観点別評価で、かなり勉強が苦手な生徒でも問題はないと思います)、事前に書いて提出する自己PRカード1枚(①志望理由、②中学校生活の中で得たことについて、③高校卒業後の進路についてで500~600字程度)、試験内容は作文、面接、実技検査(10分程度の日本語の講和を聞き、その内容について400字程度で記述します。ただ、練馬工業のような工業系のエンカレッジスクールは実技は物づくりになるようです。

授業はやはり中学の復習から始めますが、チャレンジ高校のように単位制や定時制ではなく、全日制なので一般の普通科高校と同様に授業は朝から午後まであり、選択科目も限られています。
授業時間は30分授業と50分授業の両方を取り入れています。
雰囲気も、不登校だった生徒も受け入れていますが、チャレンジ高校ほどそこに配慮した指導は行われていないと思います。

どちらを選ぶにしても、作文は必要です。 アンは、作文が入試に含まれているという理由だけでなく、不登校だった生徒も、勉強が苦手だった生徒も、高校に入学する前に一度自分を振り返り、自分を言葉で表現する機会を持っことが、将来への展望を拓くことにつながっていくと思っています。

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大手塾の映像授業のメリットとデメリット [受験]


現在通ってきているF子ちゃんが、夏休みから本格的に大手塾の映像授業を受け始めました。
ほとんど毎日通っていて、1日6時間から8時間の授業を受けています。
アンの家庭塾に来る土曜日は、午前中に映像授業を受け、午後にアンの塾に来て、夕方から夜にかけて再び、映像授業を受けに行きます。

中学では不登校、またチャレンジ高校の勉強は緩いので、F子ちゃんとしてはこれまで経験したことのないほどの勉強量です。
ずいぶん頑張っていると思います。

ところがここ2回ほど、アンが授業を始めると、涙を流すようになりました。
かなり頑張っても思うように進まず、夏休み中に映像授業の課題が終わらないというのです。
周囲を見ると、みなF子ちゃんより進んでいて、それも落ち込む原因になっているようです。

F子ちゃんは中堅レベルの大学に行きたいと思っているのですが、アンに限らず、それは無理だと断言できると思います。
アンが教えているのは英語だけですが、大手塾では現代文、古文、それに世界史もやっています。
現代文はともかくとして、古文や世界史は夏休みからやり始めたばかりですし、英語については、アンとは中学の復習から始め、英検の準2級は合格して、今は2級を目指して頑張っているところですが、中堅の大学レベルには達していません。
まだまだ未消化の部分がかなりあるからです。

夏休みが始まった時点で、あれもこれもと欲張らずに、量を抑えて、その部分については確実に出来るようにしようと話し合いました。
大手塾では受験勉強、アンのところでは英検の勉強と即戦ゼミの問題集に絞ることにしたのですが、塾の夏休み中のノルマに追われて、アンが出す宿題は3分の1程度しかやれていません。

映像授業の教材も見せてもらい、良く出来ていると思いました。 映像授業は何回でも受けられるし、10時までやっているので、自分の都合のいい時間に受けられるので、それはメリットだと思います。

デメリットとしては、いついつまでにレベル別の問題集を何冊もやる必要があり、そこに重きを置くと、ただこなしているだけで、内容が殆ど身についていないということになってしまいます。 また、質問の時間が限られているのもネックになっているようです。 F子ちゃんに限らず、これまでの生徒も映像授業の塾では復習が追いつかないということがありました。

毎日、その授業を受け、レベル別の問題集も内容もきちんと理解したり、暗記して進めていけば、難関大学でも合格すると思います。
けれど、それはごく少数の生徒であって、大部分の生徒は休んだり、ついていけなくなって、受験も不本意な結果に終わるような気がします。

夏休みも2週間を切りました。
残りの日々をF子ちゃんが周囲の生徒と自分を比較しないで、欲張らずに、「夏休み中はこれだけはやれた、出来た」というように発想を切り替えてほしいと思っています。



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以前の生徒は美大生 [家庭塾卒業後の生徒たち]

1週間ほど前、中学2年から美大受験まで家庭塾に通って来ていたR子ちゃんが、遊びに来ました。
しばらく会わない間にR子ちゃんは美大の3年生になっていました。
中学の時から美大の塾にも通い、アンのところには、英語を勉強しに来ていました。
通っていた大学付属の中学はレベルが高すぎて、授業についていけないので、何とかしてほしいというのがお母さんからの要望でした。
最初に通っていた大手の塾も、学校のレベルに合わせて授業を進めるので、難しすぎて挫折してしまったということです。

アンのところでは、基礎の基礎からやっていくので、通い始めて半年ほど経ったころには学校の成績も上がり、自信が持てるようになりました。
高校入学後は能力別のクラスで、最後までトップクラスを維持できていました。

高校3年の夏休みになって、一般受験の前に推薦入試も受けることになり、そこから志願理由書の作成や、美大の実技に付随する作文、面接の練習をしました。美大受験は初めてでしたが、アンは、ずっと以前にテレビドラマの企画ライターをやっていたので、相手を納得させる文章の書き方はわかっているつもりでした。志願理由書だけでなく、美大の作文についてもR子ちゃんの考えや感性を大事にしながら何度も書き直し完成させました。
それでも、合格できたことは奇跡とまでご両親に言われ、達成感を味わうことができました。

R子ちゃんは、第一志望の何としても入りたかった大学で、充実した楽しい大学生活を送っています。
パソコンに取り込んだいくつかの作品も見せてくれましたが、自分でも満足している様子が伝わってきました。
入学当初は建築分野に進みたいということでしたが、いろいろ勉強する過程で、今は空間デザインの仕事に就きたいと思っているそうです。
この夏休みは、その分野の会社で、インターンをすることになっています。
小遣いくらいは自分で稼がなければと、週に3日は夕方から夜遅くまでバイトもしているといいます。
第一志望の大学に入って、そこでの勉強が自分に向いていて、友人関係もいいようで、本当によかったと思います。

秋には文化祭もあるというので、今から楽しみです。



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