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不登校、学力不振の高校選び(東京、埼玉、神奈川、栃木) [受験・進路]

去年の暮れに「日々輝学園高等学校」の東京校(埼玉県入間市)の学校説明会に行ってきました。この高校の前身は武蔵国際総合学園で、平成21年4月に広域通信制・単位制・普通科の「日々輝学園高等学校」として新たにスタートしたそうです。
広域とは全国から生徒を入学させることができる通信制高校のことで、単位制とは留年がなく、自分に合った科目を履修するなどして、累計で74単位を修得すれば卒業ができる制度のことです。毎日登校することも、週に2~3日登校することも生徒本人のペースでいいそうです。

同校は対象生徒を①不登校、②学力不振、③人間関係が苦手な生徒に絞っていることに大きな特色があります。高学力の生徒もいれば学力不振の生徒もいて、学校を多様な生徒の学び合いの場所と位置づけ、心と人格を育てることを最大のテーマにしています。中学時代まではつまずいたり、転んだり、引きこもっていた生徒でも、高校からは良い高校生活を送ってもらい、卒業後は自立してほしいというのが日々輝学園高校の先生たちが願っていることです。そのためには、先生たちも努力を惜しまないといいます。
また、LDや高機能自閉症等の軽度発達障害の生徒に対しても、LD教育士の資格を持つ教員や、研修を受けた教員が一人ひとりの生徒に合った極めの細かい指導をしています。生徒の悩みを受け止めるメンタルサポートも充実していて、カウンセラーが常駐していること、休みがちの生徒には、メンタルフレンド(心理学系の学部・学科で学ぶ大学生、大学院生)を家庭に派遣して支援効果をあげています。

以下は、学校案内のパンフレッドの中から抜粋した内容です。

1年次は生徒の学習・生活リズムに応じたクラス選択をします。

(1)総合クラス   募集人員 60名  1クラス30名の2クラス編成

本校に入学してくる生徒たちの多くが、中学時代に学力不振に悩んできました。あるいは、LD等の困難な課題を抱えているなど、その背景はさまざまですが、高校生になって、自分は勉強について行けるだろうかという共通の不安を持っています。私たちはまず、「何が、どこまでできるのか」、「何が、どこからできないのか」という一人ひとりの学力の状態をさぐりながら、その生徒にはどのような指導が必要なのかを把握するところからスタートします。それは、「わかる楽しさ」が真の学びを育むことにつながると考えるからです。
ポイントとしては、①中学校までの復習を織り込んだ授業、②生徒の興味・関心や希望進路を踏まえた多彩な自由選択科目、③個別学習プログラムや勉強が遅れがちの生徒のための放課後の補習、その他。

(2)ST(セルフトラスト)クラス  50名  1クラス25名の2クラス編成

これまでに不登校状態にあった生徒たちを対象に、時間的にも、ゆとりある環境を用意し、一人ひとりが自分に合ったペース・方法で学習などに取り組み、それぞれの「よさ」を育み、伸ばすことのできるクラスです。
STクラスでは、まず、「自分は、きちんと登校できるだろうか」という不安を抱えている生徒たちの「心の居場所」づくりに力を注いでいます。
生徒たちは、中学校時代につらい心の体験をしてきただけに、お互いを理解しようとする雰囲気がおのずから生まれてきます。また、入学を機に、自分らしく充実した高校生活を送りたいとの願いを持っています。
本校では、こうした生徒たちの思いをしっかり受け止め、複数のスクールカウンセラーを中心としたサポート体制が充実しています。
ポイントとしては、①きめ細かなサポート体制と少人数制の個別指導、②生徒の状況に応じた再登校支援(入学後に再び不登校になった場合)、③生徒の生活リズムに応じた学習方法、その他。

●毎日の登校が困難な生徒⇒⇒週2~3日の登校ペースで取り組める学習計画を提示し、それに基づくガイダンスと実際の指導を行う。
●クラス集団が苦手な生徒⇒⇒学習室での個別授業から始め、徐々に、クラスでの授業を受けることができるように支援する。

募集要項について
◎選考内容  
○推薦受験  面接(保護者同伴)、調査書・推薦書、STクラスについては自己推薦制度あり
○一般受験  基礎力テスト(国語30分)、面接(保護者同伴)、調査書

◎選考日程
○推薦受験  10月31日、11月28日、12月19日、1月16日、1月30日、2月13日、2月27日
○一般受験  3月6日、3月16日

◎初年度納入金  987,000円

今後の学校説明会の日程
1月23日(土)、2月6日(土)、20日(土)、27日(土)、3月6日(土)

日々輝学園高校  ホームページ  http://www.hibiki-gakuen.ed.jp

本校  栃木県塩谷郡塩谷町大宮2475-1  ℡0287-41-3851
東京校 埼玉県入間市下藤沢1061-1    ℡04-2965-9800
神奈川校 神奈川県綾瀬市大上4-20-27  ℡0467-77-8288
横浜校 神奈川県横浜市都筑区仲町台1-10-18 ℡045-94-3778

アンの感想

学校説明会の後、有賀校長先生と2時間ほどお話をしました。不登校や学力不振の生徒が進学する高校としては、私はこれまで都立のチャレンジ高校を勧めてきたのですが、日々輝学園高校の雰囲気、考え方にもとても共感しました。
不登校や学力不振、人間関係のつまづき、軽度の発達障害のために、通常の高校では明るい学校生活を送ることが困難に思われる生徒の「最後の砦の高校」として存在している学校だということが感じられたからです。中学まではつらくて、不本意な学校生活を送っていたとしても、日々輝学園高校に入ったら、生徒一人ひとりがよい高校生活を送り、卒業し、未来を拓いていってほしいと願い、そのためのサポートを惜しまない先生たちがいる学校だと思いました。不登校や学力不振を社会的弱者に留め置かないで、高校が安心できる居場所を提供し、そこから生徒が未来への展望を開いていくという学校の方針が、本物だと思ったのです。
校長先生はアンのちっぽけな「家庭塾」に対して、「民間で不登校や学力不振の生徒たちを対象とした塾があるなんて」と言って、アンの来訪を喜んでくださいましたが、アンもまた、日々輝学園高校のような学校があることを知ってうれしくなりました。
卒業しても学校を訪ねて来る生徒のこと、不登校などの課題を克服して、自分の夢に向かって進んでいこうとしている生徒の姿に感動してしまうという校長先生のやさしいお顔が印象的でした。
例によって、アンの趣味趣向でいい点ばかり書いてしまいましたが、都立のチャレンジ高校に比べると、難点は入学金や授業料などが高額なことです。それでも、日々輝学園高校に入学して、子どもの未来が拓けていくのではないかという手応えを感じたら、各種の奨学金などを利用するのも一つの方法かもしれないと思いました。
また、日々輝学園高校がどんなにいい学校だとしても、生徒本人の好みに合わない場合もあります。大切なのは、やはり保護者と共に学校に足を運んで、自分の目で確かめ、自分の直感や感性を信じて、自分に合った高校に行くことだと思います。


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