SSブログ

紅葉 [くつろぎタイム]

週に4、5回歩いている公園の木が色づき始めたのに気がついたのは10月の終わり頃のことでした。
プラタナスによく似た葉をもつ大きな木が並んで2本、青空の下、天高く黄葉していました。(その黄色の葉を家に持ち帰り、ネットで名前を調べたのですが、未だにわからずじまいです)

私は思わず「わあ、きれい」と声に出し、ウォーキングの足を止めて、その木をしばらく見上げていました。
それからというもの、その2本の木を見るのが、少なからぬ私の楽しみになりました。
やがて、葉の色は黄色から、オレンジっぽい色になり、今では枯れた茶色の葉を、木のてっぺん辺りにわずかに残す程度になりました。

11月中旬になると、森になっているその公園の木々が次々に色づくようになりました。ほとんどが黄葉で、その中で、桜の葉だけが黄色からオレンジ色に、そして赤色に変わっていきました。
黄葉といっても色はいろいろで、いちょうの葉のようにはっきりした黄色もあれば、淡黄色やミカン色、橙色、ウ金色、その他表現できない色もありました。

名前もわからないその木がいち早く黄葉して、私のお気に入りの木になった頃、公園の他の木はまだ色づいていませんでした。
もみじなどは、まだ青々とその葉を風になびかせていたくらいです。

それぞれの木が、黄葉や紅葉の早い、遅いを競い合うこともなく、その木なりの色づき方で染まっていく様子を見て、「人間とは違うな」と、ふと思ったりもしました。
11月も終わり頃になると、まだまだ黄葉が残っている中、1本の大きなもみじが、染まり始めました。
同じ1本の木なのに、黄緑色の葉もあれば、オレンジ色も、そして真っ赤に染まった葉もあります。
同じ親から生まれても、兄弟それぞれに違うのと似ているな、と思いました。

この間の日曜日、仕事の帰りに、駒込にある「六義園」に紅葉狩りに行ってきました。
私が歩いている公園とは、比べようもないほどに、見事に色づいたもみじがたくさんあり、その美しさはまさに夢の中の世界でしたが、やはり心が引かれるのはいつも歩いている公園のもみじです。
身近にあって、その場所に行けば、必ずその木(もみじも含めて)に会えるからです。
大きな木が動かずに(当たり前のことかもしれませんが)、いつも同じ場所に立っていてくれると、なぜか気持ちが落ち着きます。
さらにこの1ヶ月余りは、森の公園に入った途端に、目の前に開けてくる黄葉や紅葉の美しさを見ていると、その美しさが目だけでなく心にも染みて、身も心もきれいになっていくような気がするのです。
私にとっては、何ともいえない、しあわせなひと時です。

今日は、これから一緒に「もみじ」を歌いませんか。


秋の夕日に 照る山もみじ
濃いも薄いも 数ある中に
松を彩る かえでや蔦は
山のふもとの すそ模様

谷の流れに 散り浮くもみじ
波に揺られて 離れて寄って
赤や黄色の 色さまざまに
水の上にも 織る錦



共通テーマ:日記・雑感