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不登校、ひきこもりの親の葛藤 [不安なお母さん方へ]

子どもが不登校でも、ひきこもりでも、親が子どものありのままを受け入れていれば、やがて子どもは前に踏み出していくと言われています。
だから、その時期が来るまで、親は辛抱強く子どもを見守っていればいい、と専門家もアドバイスしています。

専門家の言葉をそのまま信じて、不登校の子どものつらい気持ちも十分理解しているつもりで、子どもの言うことや要求をすべて聞いているお母さんがいます。そういうお母さんは、子どもに接するときにも、子どもの顔色や様子を見ながら、子どもを傷つけないように細心の注意を払っていると思います。

あるいは、「子どもを信じていれば、いつかきっと子どもは前に向かって歩き出すようになる」と信じて、毎日必死でがんばっているお母さんも多いと思います。

けれど、こういうお母さんが心の中で、「いつになったら学校に行くのだろう」「家にいるのなら、テレビやゲームばっかりやっていないで、何かやればいいのに」と言っているとしたら(そう思うのも無理もありませんが)、いくら理解がありそうな態度を見せても、子どもは親の嘘を敏感に感じ取るし、自分が受け入れられているとは思わないでしょう。

私はこういう場合にはむしろ、「つらいよね。学校に行かれないのは。何もすることもなくてテレビやゲームに逃げたい気持ちはわかるけど、いつまでも逃げ切れるものでもないから、どうしたらいいか考えてみよう。お母さんもどうしたらいいかわからないけど、真剣に考えてみるから」というように、母親が子どもの気持ちを一旦は受け入れたうえで、自分の気持ちも正直に伝えて、子どもと一緒に悩み、苦しんであげればいいような気がします。

「家族にしてほしいこと・してほしくないこと」~不登校・」ひきこもり体験者からのメッセージ~(日本子どもソーシャルワーク協会発行)という本の中にいいことが書いてあったので、その箇所も紹介したいと思います。

「自分の葛藤がないまま、何とか子どもを解決したいと思っても、解決にはなりません。親の葛藤は子どもの葛藤であり、子どもの葛藤は実は親の葛藤なんです。親が一生懸命葛藤して、子どものことは子どもに何とか任せてみよう、ということになって、そうだとしたら自分は、あまり子どものことに気を遣って常に子どものことを心配して監視するのはやめよう。自分は自分のやりたいテーマを見つけてそちらに時間をかけようというふうになっていった時に、子どもは少しだけ安心しはじめるのです」

また、これは私の意見ですが、お母さんは子どもを信じるより、まず自分自身を信じることだと思います。自分が信じられない場合には、自分のやりたいテーマをみつけて、それに向かって努力していく中で、信じられる自分というものを作っていくことだと思います。
子どもは、自分のために悲しんだり、暗い顔をしているお母さんを見るより、何かに向かって一生懸命になっているお母さんを見るほうが、救われるし、そこからエネルギーも生まれてくると思うのです。

また、これは付けたしになりますが、わが子が不登校、ひきこもりだからといって、殊更に子どもに気を遣って、子どもを特別扱いすることはないと思います。それこそ差別です。子どもの存在そのものを受け入れること、認めることと、子どものよくない行いや態度にはっきりとNOと言う事は、別の話だと思うからです。



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