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「学力不振の生徒」の今の実力 [学力不振]

子どもが小学生の間はまだしも、中学生になって、特に数学や英語で学力不振に陥っていると、親は「もっと勉強しなさい」とか「やれば出来るのに何故やらないの」とか言って、子どもを責めるようになると思います。

さらに、塾に通っているのであれば、「塾に通っているのに、一体何を教わってきているのか」と思ったり、塾に文句を言うケースもあるかと思います。
月謝を払っている親にしてみれば当然のことでしょう。

けれど私は、学力不振の生徒は集団指導の中では学力を向上させることは無理ではないかと思っています。
生徒一人ひとりに合わせた、手取り足取りの個別指導が必要なのです。

では、生徒の成績をアップさせるにはどうしたらいいのでしょうか。
個別指導で学力不振の生徒(出来る生徒についてもですが)と関わってきた私の経験からいえば、出された宿題をきちんとやる以外に方法はないと思います。
個別指導の教室に通うにしても、家庭教師を頼むにしても、一科目につき週に1回1時間半~2時間の指導というのが一般的ですが、週に一度、その生徒に合った指導を受けたからといって、それだけで成績が上がるなどということはありえません(そう宣言している塾があるとしたら、ホントかなと、疑ってみるほうが賢明でしょう)。

指導時間の不足をカバーするのが、宿題とFAX指導です。
宿題をきちんとやり、さらに教師から送られてくるFAXの問題についても、その度ごとに必ず送り返していたら、成績は確実にアップします。

ところが、学力不振の生徒にとってはこれが大変なことなのです。
出された宿題についても、量が多ければそれだけで気が重くなってしまうし、やり始めてもわからない点が出てくると、すぐやる気をなくしてあきらめてしまいます。
わからないところがあったら、電話やFAXでいつでも質問してきていいからと伝えておいても、どう質問してきていいかわからないし、それ以前に面倒だと思ってしまうのです。

自分の子どもが学力不振であった場合、宿題がどれだけできるかがその子の今の実力だと思ってください。
これは宿題の量や質の問題ばかりでなく、精神力も入ります。
個別指導で手取り足取りでやってもらっている間は出来るし、わかったような気もするのですが、自宅で一人でやらなければならない宿題は、わからないところが出てきたら、まずは自分で考えなければならないし、暗記にしても問題を解くにしても、すぐに投げ出したりしない精神力が必要になります(それは出来ない自分と向き合わなければならない、孤独で苦しい時間でもあるわけです)。

わが子が宿題がどれだけできているか、出来ていなくてもそれが精神力も含めた、今、現在のその子どもの実力なのだということを、親が認識することも大切なことだと思います。
また、そこから出発していただきたいと、教える側としては思っています。



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