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都立チャレンジ高校受験と英語、そしてやる気 [学力不振]

最近、アンのブログは都立チャレンジ高校受験の記事が極端に少なくなり、英語にシフトしているように見えるかもしれませんが、そんなつもりは全くありません。ここ2年ばかりはチャレンジ高校の受験を希望する生徒がいなくて、(昨年は都立エンレッジスクールの受験生はいましたが)、記事にする内容がなかっただけのことです。

ただ、10年以上前に、アンがチャレンジ高校の受験生を対象とする塾を始めた頃とは、状況が様変わりしているように思います。
当時はまだ、チャレンジ高校の歴史も浅く勢いもあって、不登校や学力不振の生徒が通う高校としては最適な高校だと思っていました。
けれど最近は、私立の通信制高校や通信制サポート高校、オンラインで授業をする高校など選択肢が増え、志望さえすれば、ほぼ全員入学出来るという状況になっているかと思われます。そうなると、わざわざ作文や面接の練習をして、倍率もあって不合格になる可能性もあるチャレンジ高校を受験する意味(私立の通信制高校などと比較してチャレンジ高校に特別に魅力を感じれば別ですが)が問われていると思います。

授業料の問題もありましたが、今年2020年度からは、年収910万未満の家庭は、私立高校の授業料が実質、無料または低く抑えられるようになったことも、都立にこだわる理由が薄れているかもしれません。

因みに、2020年(令和2年)の都立チャレンジ高校の倍率は以下のようになっていました。
六本木高校 1.59倍
大江戸高校1.38倍
世田谷泉高校 1.18倍
稔ヶ丘高校1.25倍
桐ヶ丘高校1.14倍

この倍率を見ただけでも、ひと昔前と比べると、人気の低下が窺えます。

だからと言って、チャレンジ高校の存在意義がなくなったかといえばそうではないと思います。
それが、今日のタイトルの「都立チャレンジ高校受験と英語、そしてやる気」につながっていきます。
アンがチャレンジ高校の受験生にこれまで関わってきて、一番やりがいを感じのは、生徒の変化です。
初めはやる気がなかった生徒も、最終的にはやる気になって、そんな生徒と接しているのが楽しいからです。
中には、初めからやる気がある生徒もいますが、大部分はこれまで頑張った経験がない生徒、または、内面にはやる気を秘めていても、目標をもって、何にどのように取り組んだらよいのかわからない生徒たちでした。

現在はコロナ休校で、すでに3か月近く、多くの生徒が学校に行けない状況が続いていますが、これまでも学校に行ってなかった生徒はどのような気持ちで、毎日を過ごしているのでしょうか。す
学校に行かなければならないプレッシャーから解放されてほっとしているでしょうか。
それとも、クラクラスメート達が学校に行っていない今なら、学校に行けると思うのでしょうか。

学校があろうとなかろうと大切なのは、今をどのように過ごすかだと思います。

実は、英語で通って来ていたチャレンジ高校3年生のM君が、4月いっぱいで家庭塾をやめました。
去年の8月からだったので、約9か月通って来たことになります。
チャレンジ高校受験の時もそうでしたが、やる気がなかったわけではなく、何をどう勉強していいかわからなかっただけです。
勉強の方法さえわかれば、チャレンジ高校受験の時もそうでしたが、目標に向かってひたむきな努力が出来る生徒でした。
それは英語についても同様で、英語以外の大学受験の科目をどう勉強したらよいかわからないというので、リクルートの「スタデイサプリ」を勧めたところ、すぐにやり始めて、英語について言うなら、週に1回アンのところに通って学ぶ内容の何倍もの量を自分で勉強し理解して、定着させていました。

教材についても本屋さんに出向き、自分に合った実力がつきそうな本を購入し、それを繰り返し、繰り返しやっていました。
8月の時点では、まだ中学の内容をやっていたのに、今年に入ってからは大学受験の勉強に手が届くようになっていました。
その結果、他の受験科目と同様に、英語も「スタデイサプリ」1本でやろうと決心したのです。「合格特訓コース」で、志望校に合わせた担当コーチがついて合格までサポートしてくれるそうです。

志望大学のランクも今のM君にはハードルが高すぎると思える大学ですが、指定校推薦で楽に入れそうな大学は断固として拒否しています。

M君は幾度となく、通っているチャレンジ高校の雰囲気が自分に合わないと言っています。
周囲にやる気がある人が少なく、大学進学に向けて真剣に取り組んでいそうなクラスメートが見当たらないといいます。もっと、やる気のある友達の輪の中で高校生活を送りたかったと言っていました。
3か月近くにも及ぶコロナ休校で、学校側からは、特に課題らしい課題も出ていないとのことです。することもなく、ゲームばかりしている生徒もいるようです。
他方、M君は「スタデイサプリ」を有効に活用して、志望校に合格できる力がつくように、毎日頑張っていると想像出来ます。
結果の如何にかかわらず、M君のやる気は生きていくうえでの大きな力になると、アンは確信しています。

今回、アンが書きたかったことは、チャレンジ高校の受験生にしろ、英語を学びに通ってくる生徒にしろ、アンの関わる姿勢は変わらないということです。
それは、これまで勉強に対する気持ちがイマイチだった生徒に、「今日の授業」を積み重ねていくことでやる気が自ずと湧いてくるようにしてもらうことです。
やる気というのは、「やる気を出して」と強制しても出るものではなく、傍らに誰かがいて、やるべき内容や、やり方がわかり、やる習慣がついてきた時に生まれてくるものだと思います。
その場かぎりのやる気ではなく、それを継続させることも大事です。

そしなると、これまでのやらない自分より、やるべき内容をきちんとやる自分の方が、心地よいと思えるようになります。

M君はおよそ1~2か月の間に、「今日の授業(1)~(3)」のS子ちゃんはやっとその兆候が見えてきたところです。




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