SSブログ

夏休みを終えて [学力不振]

久し振りのブログ更新です。
前回書いた記事が5月だったので、ほぼ4ケ月振りの更新です。ブログを書く時間もないほどに忙しかったとは言えませんが、今年は例年に比べると忙しかったのは事実です。
特にこの夏休みはいつもの夏とは違っていました。これまではチャレンジ高校受験の生徒が主流だったので、夏休み中はまだ生徒がいなくて暇でした。
ところが、英語の指導が増え、そのための準備やアン自身の勉強に当てる時間が増えたためです。
今回初めて、英語の夏期講習を入れたことも理由の一つです。
この4月から通って来るようになった私立大学付属中学2年の女子生徒が対象でしたが、アンのところまで片道2時間をかけて通って来るので、成果が出ないと時間と授業料の両方が無駄になってしまうので、ボランティアも含めて長時間、付き合ったからです。

丸暗記が得意な女子生徒の中で、自他共に認める暗記が弱い生徒でした。特に単語を覚えるのは苦手で、4月の時点では、週に1度の授業でどこまで出来るようになるか、見通しが立てられない部分はありました。
それでも、往復4時間かけて通って来る根性や、2時間の授業が倍になってもやる気を失わないその姿勢に、可能性はあると思っていました。
成果としては、4月の中間テストではこれまでの倍以上の点数を取ったものの、期末テスト、夏休み明けのテスト(中1から中2の1学期までの範囲)では、平均点をかなり下回っていました。

けれど、それもアンは想定内だと思っています。しつこいと思えるほど繰り返し繰り返しやった結果、これまでに学習した範囲の理解は出来ているものの、それを実際の問題を解く時にうまく応用できないこと、一つの問題を解くのに時間がかかりすぎること、自宅で一人で勉強するのが苦手で、すぐ眠くなってしまうことなどが原因です。
いずれにしても、中1の英語が全くわからない状態から始めて、ある程度はわかるようになり、指導がスムース進むようになるには、少なくとも半年は必要だと思っています。

今月で半年、これからは点数を取ることも考えて学習を進めていこうと話し合いましたが、それには通って来て熱心に学習に取り組むだけではなく、自宅学習がかかせません。
単語も教科書の英文を読みながら覚えると定着しやすいこと、英文を後ろから訳さずに、前から順番に訳していくと、英訳しやすいとわかったので、今はその方法でやり始めたところです。


通い始めて間もなく2年になる私立大学付属高校の1年の女子生徒は、今年の1月の英検の試験で準2級に合格し、高校に入学してから帰国子女もいるというAランクの英語のクラスで頑張っています。
今になって、通い始めた頃はbe動詞と一般動詞の区別もよくわかっていなかったと言っていましたが、今ではそんなことが信じられないくらいです。中学3年までは定期テストでは常に90点以上は取っていました。

この夏は、大学受験の前段階として、WORD SENCE(大西泰斗、ポール・マクベイ著―桐原書店)に取り組みました。夏休み中に1冊終える予定でしたが、あと少し残っています。毎回30ページほどを宿題に出し、その内容をU子ちゃんが先生役になって、アンに説明してもらう方法で進めてみました。ポイントをきちんとおさえ、大事な部分はほとんど漏らさずに覚えていました。受け身の勉強から能動的な勉強に変わってきたことも事実です。
本の内容は、基本動詞の使い方を分かりやすく解説したり、動詞と文型のつながり、いろいろな接続表現について述べられていて、英文を理解するのに欠かせない内容が盛り込まれています。
また、英検2級の単語については、毎回宿題に出し、チェックするようにしています。

彼女の英語の力はかなりあると思っていますが、それは回転の良さと、暗記力が優れているからだと思います。
アンが出来ることといったら、ただ傍にいることだけと言っても過言ではありません。


現在、高校3年の男子生徒は通い始めてから1年になります。以前の記事にも書きましたが、宿題は全くやってこないので、数か月前から出さないことにしました。
そのため、英語の勉強は家庭塾でするだけです。自宅でもやらないと成果は上がらないものの、真面目に通い続けているので進歩はしています。

まず、途中で数分の休憩は取るものの、2時間集中して学習ができるようになったこと、不規則動詞の変化をほぼ全て覚えたこと、主要な文法事項は理解していること、1学期の英語の期末テストがこれまでになく良かったこと、また、お母さんによると英語への拒否反応がなくなってきたとのことでした。

今はもう進路を決めるぎりぎりの時期に入っていますが、最近になって大学に進学することを決めたようです。夏休み中にオープンキャンパスにも行ったとのことでした。お母さんやアンも一緒にと思ったのですが、一人で行きました。

大学のランクに関わらずに、今から一般受験で大学に合格するには相当の努力が求められるし、これまでのように自宅での勉強が皆無な状況では望みはないと思い、本人にも伝えたのですが、そう言われても進学の意思は変わりませんでした。
家庭塾以外の他の塾に行くのは気が進まないらしく、他の受験科目については自分で教材を選び、1人で勉強をすると言っています。

気が進まないことに対してはテコでも動かず、思考や行動、向き、不向きも自分の直観を頼りに決めているので、本人の意思を尊重するしかありません。
潜在的には力があると思うので、本気になれば力を発揮できるはずです。

アンとしては、やはりただ傍らにいて、その時々に出来ることを精一杯やるしかありません。
それでも、今を積み重ねていくことが、明日に繋がる唯一の道なのだということを少しずつでも認識していってほしいと思っています。


英語の指導に加えて、この夏は都立チャレンジ高校に2年で転入する生徒の志願申告書、作文と面接指導もしました。
過去に高校1年の転入試験は2度ほど経験し、それぞれ合格していたのですが、高2の生徒は初めてでした。
3週間という期間を区切っての短期間の指導だったので懸念はあったのですが、ご家庭の要望通りの回数で、予定した内容はこなせたと思っていました。
結果は不合格でした。高2の編入試験は難しく、受かりにくいとは聞いていたのですが、ハードルが高いと思いました。
作文も予想していた問題が出たし、面接も自分の言葉を持っている生徒だったので、なぜ不合格になったかわかりません。

そこで、去年、同じチャレンジ高校を受けて不合格になった生徒のことが再び頭をよぎりました。
その生徒は、後で作文の点数を聞くと、予想通りの問題が出たにもかかわらず、ひどい点数だったのですが、別の高校に進学した彼は、そこで作文の力が認められ、学年で一人、みんなの前で作文を発表することになったと報告がありました。


考えられることが一つあります。それは去年不合格になった生徒も、この夏に転入試験を受けた生徒も、これまで一度も(試験の前でさえも)家で勉強したことがないことです。この二人の生徒に限らず、これまで不合格になった生徒は、似たり寄ったりでこのタイプの生徒です。

今日現在、チャレンジ高校の生徒はまだ来ていませんが、チャレンジ高校は勉強が出来る生徒、勉強をする意欲のある生徒を求めていることは確かだと思います。特に、ここ数年はその傾向が強いと、アンは思っています。そして、それは短期間で表に出るものではなく、チャレンジ高校の先生はそれを見抜く目をもっているような気がします。

それと関連しますが、今年、チャレンジ高校に合格した女生徒は、アンと面談した時点でほぼ合格が予想出来る生徒でしたが、やる気が内面から出ていたからです。
この夏休みに成績表をもって顔を見せに来てくれたのですが、成績も素晴らしく、クラスで一番とのことでした。
学校もすごく楽しいとのことで、充実した高校生活が送れているようで、本当に良かったと思いました。

チャレンジ高校を目指す生徒は、今はやる気や元気が出ないにしても、やる気の芽を育てていく気持ちは今からもってほしいと思います。
やる気というのは、最初からあるものではなく、やっている間に少しずつ大きくなっていくものだからです。




共通テーマ:学校