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見返りは求めないけれど [アンおばさんの教育ミニコラム]

アンの仕事はボランティア精神を持っていないとやっていけない部分があります。
勉強を教えるだけではなく、生徒の悩みを聞いたり、時に保護者の相談やグチに長時間付き合ったりして、それにかなりの時間を要します。
また、受験が近づくと、週に1度2時間の指導では間に合わずに、大幅に時間を超過したりするのですが、それはほぼボランティアになります。

時に大変だと思うこともありますが、アン自身がやりたくてやっていることなので、特に感謝されたり、見返りを求めることはありません。

そうは言いつつ、先日、うれしいことがありました。
15年以上付き合っていて、当時は引きこもりだった女性(前回の記事は『15年後の変化』)から、バースデイカードが送られてきたのです。
私の誕生日を祝う言葉の他に
「いつも大変お世話になっています。今の私で過ごせることは先生のおかげです。どうか、これからもずっとよろしくお願いします」と書かれていました。

正直に言うと、私は彼女には今は何もしていないのです。
ただ、1週間から10日の間隔で、彼女から送られてくる手紙を読んでいるだけで、彼女の家庭の事情もあって、返事も求められていないので出していません。

それでも、私がいて良かったと思っているらしい彼女の言葉に、見返りは求めないと言いながら、なんだか心が温かくうれしくなりました。

また、長年、彼女は中学のときに不登校になった自分に対して、親が、東京から他県に引っ越しただけで何もしてくれなかったことに、長年、恨みに思っていて、いつも自分のことしか考えていませんでした。
ところが、最近の彼女は、自分のことだけでなく、相手の立場も考えられるようになっていて、それが彼女の生活を明るくしている部分もあると思っています。

バースデイカードも思いがけないことでうれしかったのですが、彼女が他人に感謝する気持ちが出てきたことが、うれしさを倍増させました。

今は、大人も子どもも忙しくて、経済的にも精神的にも余裕がなくなってきていて、「ありがとう」を言う人も少なくなっているように感じていました。
それでも、感謝の気持ちを持てることが、人が幸せになれる第一条件だと、アンは思っています。


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